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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ライフ 2016.03.17 海外で働きたい!と思ったときにチェックすべき4つのポイント

文:株式会社パソナ グローバル事業部 コンサルタント 増田祐子



「具体的な国は決まっていないけれど、いつか海外に行きたい」
「今すぐにでも、この国に行って働きたい」
「以前、海外で働いていたことがあり、再チャレンジしたい」

海外への思いは人それぞれですが、どういうポイントで具体的に検討すれば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回は、海外就労に関する基本的な知識やエリアごとの特徴を、簡潔にまとめてご紹介します。

海外就職の4つのポイント


海外就職を考えたときに、「4つ」の大事なポイントがあります。それは、「ビザ」「生活環境」「言語力」「プロフェッショナル(専門性)」です。

皆さんが将来働きたいと思う国の「ビザ」の取得要件や、最近のトレンドはご存知でしょうか。
また、現地での「生活」について具体的なイメージはお持ちでしょうか。インターネットからの情報だけではなく、リアルな情報をどれだけ知っているかがポイントです。
また、「言語力」も大切です。現時点の皆さんの言語力でその国で働けるのか、英語以外のローカル言語は必要かなども把握する必要があります。
最後に「プロフェッショナル(専門性)」です。留学するのではなく、働きに行くわけですから、現地でどのようなスキル・経験が求められるのかを冷静に判断することが大切です。

1 : ビザ


「4つのポイント」の中でも一番重要なのはビザです。これがないと働けません。
ビザは各国のルールなので、状況により習得できるかどうかが割とはっきりとわかります。正確な情報を得ることが、何よりも大切です。

状況は国ごとに異なりますが、現在の傾向は以下のようになります。

【北米・ヨーロッパ】
相談にお越しになる方の中でもダントツで人気のエリアですが、ビザの取得要件は厳しいです。現地の大学を卒業した方でも、就労ビザが下りずに日本に帰国されるケースは多いです。
アメリカではビザ申請後に抽選があるのですが、その当選率は30%くらいと言われています。不確定要素が大きく、就労に向けたハードルは高いのが現状です。

【中国・台湾】
新卒やシニアの方は申請が大変難しいです。大卒以上の学歴+2年の実務経験が必須条件ですが、その経験領域も重視され、専門性を厳しく求められる傾向にあります。北米・ヨーロッパに比べるとハードルは低いですが、取得要件は比較的厳しいと言えます。

【シンガポール・香港】

英語圏ですし、メディアなどを通じたイメージも良いため、注目されているエリアです。3~4年前まではビザが取得しやすかったのですが、最近は失業率の高まりを受けて自国人材の雇用確保が優先されるようになり、取得要件が厳しくなってきています。
目安としては大卒以上の学歴+実務経験2年以上が必須条件で、香港では転職先と同じ業界での経験が求められる傾向にあります。ただし、景気に左右される傾向が強く、今後の動向によっては数年後に要件が緩和されている可能性はあります。

【東南アジア(ベトナム・インドネシアなど)】
近年人気が出てきているエリアです。国全体が経済成長している中で、自分も成長させたいという方が多いです。
ビザ取得要件は比較的低い傾向にあり、大卒以上の学歴+実務経験があれば大丈夫と言われています。ベトナムは高卒でも取得できますが、プロフェッショナルとしての実務経験を非常に重視する傾向があります。

【インド】
インドは経済が目覚しい成長を遂げており、パソナも5拠点で事業を展開しています。チャレンジングな環境ではありますが、日系企業の進出が目覚しく、ビザ取得要件は低いです。高卒の方や実務経験が少ない方でも取得できます。状況によりますが、1~2週間でビザが発行されたケースもあります。
インドでの求人数は増えていますが、それに合わせて希望者も増加しており、加えて給与水準も上がっていることから、企業の選考は年々厳しくなっていると言われています。しかし、他のエリアに比べると就労自体はチャレンジしやすい国と言えるでしょう。



2 : 生活環境


【北米・ヨーロッパ】
家賃・生活費は日本以上に高いです。特に、アメリカのカリフォルニアやニューヨーク・マンハッタンは非常に高いです。
また、住もうとしているエリアが人種的・文化的にどのような傾向なのかという情報は、事前に現地から仕入れておく必要があるでしょう。

【中国・台湾】

エリアによって特徴が異なりますが、大都市部の物価水準は日本に近くなってきています。また、第2・第3都市であっても、福利厚生面を含めて企業の受け入れ態勢は整ってきています。中国は、文化的には日本よりもアグレッシブで、自分の意見をはっきりと主張する傾向にあります。

【シンガポール・香港】
生活環境は日本と同等ですが、家賃相場が高く、基本的に東京+αの金額をイメージしておいたほうがいいでしょう。事前に金銭的な準備をしておく必要があるかもしれません。

【東南アジア】
生活インフラは徐々に整ってきていますが、経済成長率が高いため、物価上昇率も高いです。また、交通インフラについては十分に整っていない国が多く、例えばインドネシアでは渋滞のため自宅から会社まで3時間かかるケースもあるそうです。
東南アジアは、国によってかなり状況が異なるので、生活環境についてリアルな情報をどれだけ仕入れられるかが鍵になります。普段メディアで目にする情報は良い内容が多いのですが、実際に生活をするには、現地で日々の衣食住などご自身の価値観が適応できるのかが重要になります。

【インド】

インドも東南アジアと同じことが言えますが、「インドに行きたいです!」という方と、「東南アジアは良いけれど、インドだけはちょっと…」という方にはっきりと分かれます。生活環境や食生活などが影響していると思われます。
インフラ面は整ってはきていますが、今でも急な停電などはあるそうです。現地の方は慣れっこで、停電しても暗闇でミーティングを続けて、しばらくしてまた明かりがつくなど、日本ではありえないようなことも起こると聞いています。


せっかく海外就職という夢を実現しても、現地の生活に慣れることができずに帰国するのは、とてももったいないですよね。その後のご自身のキャリアにも関わってくる問題ですので、現地生活のリアルな情報をもとに、自分がそこで暮らすことをイメージできるのか、事前に自分の価値観としっかり向き合うことが重要です。
また金銭面でも、現地での給与、家賃相場、入社前に必要な費用、通勤方法、1ヶ月の生活費、貯金はできるかなど、具体的に想定しておくことが大切です。

パソナでは日本で専任のコンサルタントが相談に応じるのと並行して、現地のパソナ社員とスカイプなどで生活情報の交換もしていただき、その上で渡航するかどうかの判断をしていただいています。

3 : 言語力


【北米・ヨーロッパ】
ネイティブに通用する高度な英語力が必要です。ヨーロッパでは各国の言語が求められることもありますが、ビジネスレベルの英語力はどの国でも求められます。

【中国・台湾】
英語力はなくても大丈夫なケースは多いですが、その分、中国語はビジネスレベルが求められます。ネゴシエーション力も含めて、高いレベルが求められます。

【シンガポール・香港】
ビジネスレベルの英語は必須です。

【東南アジア】
英語力は求められますが、現地スタッフとコミュニケーションを取るための言語として必要となります。そのため、ノンバーバルなやり取りも含めて、コミュニケーションが取れるかどうかが大切です。もちろん、ポジションによってはビジネスレベルの英語が必要になるケースもあるため、求人票の個別要件を見ていただくことが必要です。

【インド】
コミュニケーションレベルでの英語でも可能ですが、インド人の話す英語は発音が独特の場合も少なくありません。可能な範囲で事前に「インドの英語」を学ぶと良いでしょう。


ちなみに、語学力の「ビジネスレベル」とは何かと考えるときのポイントは2つあります。1つ目はプロフェッショナルとしての「ボキャブラリ」です。その仕事の専門用語、業界用語が分かるかどうかという点です。
2つ目は「ネゴシエーション力」です。その言語でタフな交渉ができるのか、想定していなかったシチュエーションで会話ができるのかという点です。



4 : プロフェッショナル(専門性)


【北米・ヨーロッパ】
高い専門性と学歴が求められ、金融関係やIT関係の求人が多いです。現地採用か駐在員採用かにもよりますが、マネジメント経験が求められる求人が圧倒的に多く、スタッフレベルの求人はとても少ないのが特徴です。

【中国・台湾】

求人の半分以上は営業職です。企業の状況にもよりますが、業界未経験でもOKという求人もあり、転職を機にキャリアチェンジされる方もいらっしゃいます。現在事務職で中国に興味のある方は、営業職を視野に入れても良いかもしれません。

【シンガポール・香港】

物流や貿易関連のポジションが多いです。現地採用では金融関連も多いですが、金融業界で20~30年のキャリアを積んだミドル層が求められる傾向にあります。

【東南アジア】
日系メーカーの生産拠点が多く進出しているため、工場長や生産管理のほか、駐在員のサポートとして経理や人事労務など、幅広い職種の求人があります。またマネジメントレベルからスタッフレベルまで幅が広いのも特徴です。

【インド】
職種は事務職よりも営業職が多く、マネジメントよりも営業担当としてアグレッシブに案件を取ってきてほしいという求人が多いのが特徴です。業界も多岐に渡りますが、日系メーカーが多い印象があります。


現在、アジアに進出する大手日系企業が増えています。海外の企業で働きたいということであれば、アジアの求人を見るとチャンスが広がるかもしれません。

キャリアプランと優先順位を考えよう


いかがでしたか?
ご自身が働きたいと思う国・エリアについて、今回ご説明した4つのポイントに沿ってじっくりと考えてみてください。

大切なことは、キャリアプランと優先順位です。
「なぜ海外で働きたいのか」「その夢は海外でないと実現できないのか」「国内で海外に関わる仕事ではダメなのか」などについても、自分の心と向き合ってじっくり考えてみてください。
そして、現地での給与や生活環境、仕事内容などの中で、何を優先的に考えるのか。また、ビザの取得要件なども踏まえた実現可能性などを客観的に考えて、転職活動の前に明確にしておくとよいでしょう。

勇んで会社を辞めて転職活動を始めたとしても、ビザ申請に時間がかかったり、却下されてビザがおりない可能性があり、ブランク期間が長期化すると、それを理由に就職活動が難航することもあります。
お悩みの方は、是非、パソナ グローバル事業部にご相談ください。専任のキャリアカウンセラーが具体的なアクションをアドバイスさせていただきます。


世界で就労支援を行う「パソナグローバル」
パソナグローバルは現在、14カ国(地域)で55拠点を展開し、海外で働きたい日本人の方や、お仕事をお探しの外国人の方に向けて、日系企業を中心にグローバルに活躍できるお仕事をご紹介しています。国際経験豊かなコンサルタントが、あなたのキャリアを最大限に活かせる、グローバルに活躍できるお仕事をご紹介します。
http://www.pasona-global.com/gl/

 

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