本文へスキップします。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

イベント 2016.04.04 変化する時代に求められる 言葉・行動・人生デザインとは

文:INITIATIVE(イニシアチブ)編集部

2月に全国のパソナ拠点で開催された「パソナグループ職博“共に歩む”」。東京会場では27日(土)、作家・心理学者・心理コンサルタントの晴香葉子先生をお招きして、「共に歩む未来へ!~近未来のビジネスシーンを自由に羽ばたく力となる、言葉・行動・人生デザイン~」と題したセミナーが開催されました。



その日、岐阜でのお仕事から東京に戻ったばかりの晴香先生は、「本日、皆さんにお伝えしたいことは3つあります」という言葉でセミナーを開始。

まず、今年は様々な業界で変化の年になるだろうということ。次に、変化はチャンスにできる人もいれば、試練になってしまう人もいるということ。最後に、だからこそ今必要な「言葉」「行動」「人生デザイン」を考えて、皆さんが変化をチャンスに変えていくヒントにしていただきたい、と呼びかけました。

ビジネスシーンの5つの心理変化


そして、現在のビジネスシーンでどのような心理面の変化が生まれているかについて、話は進みました。晴香先生によると、以下の5つの変化がポイントとなるそうです。

ポイント1:格差意識社会


格差社会ではなく、格差「意識」社会。

日本国内で一般的に格差問題が語られる場合、その多くはいわゆる正社員と非正社員の収入格差を取り上げます。
しかし、これからプロフェッショナルの非正社員の方がこれまで以上に増えていくでしょう。年功序列・終身雇用が崩れて、安泰の老後という幻想が崩れていくのに従い、正社員以上の収入を得る非正社員の方がたくさん出てきています。
厚生労働省の調査でも、非正社員として働く理由を「正社員の仕事がないから」と回答した人は減っており、逆に「都合の良い時間に働きたいから」「専門的な資格・技能を活かせるから」など、自らの意思で現在のワークスタイルを選ぶ方が増えています。

また、高齢者に比べて若者の社会保障負担が大きいという格差が語られることもありますが、世代間格差は歴史的に見れば存在して当たり前です。

このように格差が「意識」される中で、同年代で足の引っ張り合いをして、卑屈になっていくことだけは避けなければいけません。



ポイント2:対人ストレス

厚生労働省の調査では、働く人の6割が強い対人ストレスを感じているそうです。ストレスについて相談する人はいるのですが、相談しても実際にストレスが「解消した」人は24%に留まっています。
相談する際に、より良いコミュニケーションが取れていれば、もっと多くの人の悩みが解消するのではないでしょうか。

ポイント3:長寿・少子化


生産年齢人口が減っていく一方で、人生の喜びのために働き続ける元気なシニアが増えています。また、正規/非正規という区別自体が意味を成さなくなり、就業スタイルも多様化していきます。これまでのようなコミュニケーションスタイルでは、不十分になってきます。

ポイント4:テクノロジーの進化


IT技術が目覚しい発展を遂げています。テクノロジーの進化により、近い将来、今ある仕事の半分が、なくなるだろうと言われています。

しかし、焦る必要はありません。危険な仕事や体力的にきつい仕事から機械化されていくので、むしろ、私たちが好きな仕事をできる社会になっていき、よりクリエイティブな仕事をすることが可能な世界になるでしょう。

ポイント5:遊びと仕事

すると、「仕事がつらい」という時代はいつか終わっていくでしょう。遊びも仕事も等しく自由で、自分でやりたいことをやり、そこでのコミュニケーションも楽しむ時代になっていきます。



変化する時代に求められる「言葉」と「行動」とは


これらビジネスシーンにおける5つの心理変化を概観した後、セミナーの後半では、こうした変化する時代に求められる「言葉」「行動」、そして「人生デザイン」についてお話いただきました。

まず、晴香先生は「制度的組織」が衰退していくと、これまで以上に「対話力」が重要になると語りました。講演では、「ポライトネス理論」についての紹介と、それに基づき具体的にどのような「言葉」を使っていくべきかについて解説がありました。

次に、「行動」については、「たとえ忙しくても慌しくしせずに、心地よいペースで淡々と仕事ができる人は、ミスが少ないだけではなく、周りの人に好かれる」とのこと。
「マインドフルネス呼吸法」他、自分自身の心と身体を良い状態に保つ方法について、心理学的な実験結果も交えながら、期待できる効果と具体的な方法について紹介いただきました。



「人生デザイン」を考えよう


次に、人生をデザインしていくためのポイントとして、「ウェル・ビーイング」と「ハピネス」という概念が紹介されました。
持続可能性が高く、豊かで満ち足りた人間像のことを「ウェル・ビーイング」と言い、それには6つの次元があるそうです。また、幸福度の高い生き方・働き方、「ハピネス」を実現していくために指針となる3つのタイプも紹介されました。

最後に、「ウェル・ビーイング」と「ハピネス」のために、どのように人生をデザインしていくべきかについて話が進みました。

そのひとつの方法として紹介されたのは、“リミット”を積極的に設定する方法。人生のピークを持っていきたい年齢、セミリタイアする年齢を考えて、現在からピークの年齢までの日数を正確に出すという方法です。

心理的にも、人は期限が区切られた方が、やる気が出て積極的に行動できるようになるためです。
たとえば現在、35歳の方が60歳を人生のピークにして、70歳でセミリタイアしようとする場合、ピークまでに残された時間はおよそ9,000日です。
すると、「あ、もう1万日も無いんだ」と気づくことができます。

ホスピス(終末期ケアを行う施設)の看護師を対象に、患者が亡くなる前に何を後悔していたかを調査したところ、「自分の夢に忠実な人生ではなかった」ということが多かったそうです。
最後、晴香先生からの「是非、自分の夢に忠実に歩んでいこうではありませんか」という言葉に、参加者の方々も皆頷き、会場はポジティブな笑顔でいっぱいになりました。

来場者の声

・自分だけではなく周りの環境も巻き込んで、変化を恐れない自分を持つことの大切さを知りました!
・晴香先生がとても素敵な方で、表情や話し方、雰囲気から幸せになれるオーラを感じました。
・人生のデザインではリミットを設定しないと積極的に行動できないことが分かり、一日一日を大事に過ごそうという気持ちになりました。
・初めての晴香先生のセミナー受講いたしました。普段の生活における言葉の力は思っていた以上に影響力があると感じました。
・良い言葉を使うことの重要さを改めて知ることができてよかったです。「自分の夢に忠実な人生を送ってほしい」という言葉が心に染みました。

●晴香葉子氏(作家・心理学者・心理コンサルタント)
文学修士(コミュニケーション学)。早稲田大学オープンカレッジ講師。日心連「心理学検定」1級。テレビ、ラジオ、雑誌など、メディアでの心理解説実績多数。心理学・コミュニケーション学について、様々な角度から情報を提供している。
著書多数。海外でも4冊出版。『現代日本執筆者大事典第5期』に現代日本を代表する執筆者として紹介。現在は、大学院博士課程に在籍し、研究を進めるとともに、執筆・講演・心理監修などの活動を行っている。URL: http://www.harukayoko.jp/

新着記事

 
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加