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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

HR 2016.10.19 大学・企業はLGBTとどう向き合うべきか ~LGBT支援の現場から~

文:INITIATIVE編集部


日本社会のダイバーシティが進む中で、近年、少しずつ広がりを見せるLGBTへの対応。
そこで2016年9月15日、パソナ ダイバーシティソリューションサービス事務局主催で就職支援に携わる大学職員・教員を対象に、「ダイバーシティ×キャリア支援セミナー」を開催しました。当日は、NPO法人 性同一性障害支援機構 相談員 兼 大学キャリアカウンセラーの松永美佐寿氏を講師として招き、「LGBTの理解と支援」と題し、LGBTを取り巻く現状とLGBT学生の就職活動支援について、講演いただきました。今回はその内容をもとに、私たちはLGBTとどう向き合うべきか、支援現場の声と共にお届けします。

13人に1人がLGBT

LGBTとは、レズビアン(Lesbian 女性同性愛者)・ゲイ(Gay 男性同性愛者)・バイセクシュアル(Bisexual 両性愛者)・トランスジェンダー(Transgender 身体的性別と性自認が一致しない人)の頭文字を取った言葉です。性的少数者の総称を意味する言葉として知られるようになってきました。

最近では、日本におけるLGBT人口はおよそ13人に1人という調査結果も出ています。「周囲にいない」のではなく、打ち明けられない環境だから「いないことになっている」ともいえます。学校・職場などにLGBTの学生・社員が1人以上いる可能性があることを意識することが大切です。

まず、LGBTを理解するにあたり、「性的指向」と「性自認」の違いを念頭におく必要があります。性的指向とは「恋愛対象として好きになる性」を指し、性自認とは「自身がどの性別に属するかという認識」を指します。出生時に判断された体の性別と、自分自身の性自認との間に食い違いが生じる性別違和を感じる方々は「トランスジェンダー」と呼ばれます。日本では医学的な診断名である「性同一性障害」という言葉の方が聞き馴染みがあるかもしれません。
そして何よりも知っていただきたいのは「性的指向」と「性自認」のどちらも、自分では選べないものであるということ。嗜好や趣味の問題ではないということです。



何よりも注意したい「アウティング」

もし、カミングアウトを受けたら、信頼して話をしてくれた気持ちを尊重しましょう。ここで気をつけなければならないのは、本人の了解なしに他人に秘密を伝えてしまう「アウティング」です。これは一番配慮が必要な行為であり、過去には第三者によるアウティングが原因で自殺に追い込まれてしまったケースもありました。

まずは自然に受け止め、勇気をもって打ち明けてくれたことに「ありがとう」と感謝を伝えてください。そして、どんなことに困っているのかじっくり聞いて下さい。何らかの問題を解決したくて打ち明けたのかもしれないからです。当事者の多くは、否定されたり非難を受けるのではないかという不安と恐れを抱え、本当の自分を隠して日々を過ごしています。
その一方で、誰かに伝えたい、自分のことを理解して欲しいという想いも抱えています。一番大切なのは、「ありのままを受け入れる」こと。家族や周りの人の承認は、当事者にとって最大の支援になります。

LGBTの若者が直面する就職活動の壁

教育機関においては、文部科学省が2015年に「性同一性障害や性的指向・性自認に係る児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施」を策定しており、性同一性障害や性的指向・性自認にかかわる児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施が定められています。

就職活動や採用活動において、特に配慮が必要なのは、性同一性障害で悩む学生です。NPO法人 性同一性障害支援機構が行った就職活動に関するアンケート調査では、約7割の方が「職業選択に支障があった」と回答しています。

自分のことをカミングアウトした上で就職活動を行った学生から、「グループ面接の際、自分だけ質問をされなかった」「あなたはもう帰っていいと言われた」「身体はどうなっているかと聞かれた」等の体験談を聞きます。偏見と誤解からこのような配慮の欠片もない対応になると思いますが、こうした現実の厳しさから就職活動をためらってしまう学生も多いのです。

それでも、就職活動を諦めず継続していくために必要なのは、「この私でいいんだ!」という自己肯定感と、「やればできるかもしれない!」という自己効力感です。この二つをいかに醸成する支援ができるか、日々当事者の相談を受けるなかで実感しています。

四つ葉のクローバーにこめた思い「あなたは、あなたのままでいい」

LGBTの子を持つアメリカのお母さんが、自分の子を「四葉のクローバー」に例えた詩があります。
その詩では「四つ葉のクローバーは、決して不自然なものではく、ただ珍しくて大勢とは違っているだけ。葉を一枚もぎとり、三つ葉のクローバーに見せかけたいとは思わない」と語られています。(NPO法人 LGBTの家族と友人をつなぐ会より)

多くの教育現場や職場で、「あなたは、あなたのままでいい」というメッセージを、悩んでいるLGBT当事者に届けてほしいと思っています。


●松永 美佐寿
(NPO法人 性同一性障害支援機構 相談員/大学キャリアカウンセラー)

大学を卒業後、家電メーカーに入社。人事部研修課にて社員教育を担当した後、大学の総合研究所に転職。ビジネス実務関連の通信教育教材の企画・編集、キャリア開発啓発誌などを手がけたのち出版業界に転じ、人材マネジメント専門誌の記者として、約1,000社の企業を取材し、採用、人事制度、キャリア開発関連の記事を執筆する。
2010年からは、主に大学生、若年層を対象としたキャリアカウンセリング、講師業務に従事し、2011年より大学キャリアセンター相談員、2015年より「NPO法人 性同一性障害支援機構」の相談員を担当するとともに、LGBT研修・講演活動に取り組んでいる。

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