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ライフ・ヘルスケア

2014.08.13

「休日分散化」による観光産業活性化と従業員満足向上をめざす「休日分散化推進事務局」
「"後ろ倒しゴールデンウィーク"利用者の意識と行動調査」

○利用者の92%が「期待以上に充実した時間になった」と、非常に高い満足度を得られている。
○利用者の90%が「次回も後ろ倒し利用を希望」している。
○非利用者の85%は「取組みを評価」しており、次回以降の利用のための外部環境の整備次第では、利用者の増加に繋がる。

休日分散化推進事務局(運営企業:日本交通株式会社と株式会社ベネッセコーポレーション、株式会社ベネフィット・ワン、星野リゾート、株式会社ポピンズ)は、星野リゾートを除く(※1)運営企業4社の従業員を対象に、通常のGW期間に出勤し後日連休を取得する「後ろ倒しGW(ゴールデンウィーク)」を、希望する社員の選択により実施しました。 
観光需要はゴールデンウイークなどに集中しがちなため、休日の分散化を図ることで旅行需要の平準化と観光産業の活性化につながると考えられ、この休日分散化による観光関連への経済効果は2兆~3兆円に達するものと言われます(※2)。また一方、休日分散化の実施は、観光産業の生産性を高めるだけでなく、利用者は快適で安くて便利な旅ができることになります。
国内で初めて行われたこの試みの結果、「後ろ倒しGW」を利用した社員はどのような感覚で施策を利用し、実際にどのような印象を受けたのかも含め、施策が与えた意識の変化や利用状況、今後の利用意向など「休日分散化における意識と行動の在り方」を把握するため、休日デザイン研究所(※3)の協力の下、アンケート調査および分析を実施しました。

※1 星野リゾートはリフレッシュ休暇制度等、現行の社内規定において休日を分散できる環境下になるため、今回のアンケートは対象外。
※2 経済同友会および観光庁資料より。
※3 休日デザイン研究所(東京都足立区:代表 鈴木潤士)は消費者の休日におけるインサイト(潜在的な欲求/価値観/生活行動など)を探り、休日需要の掘り起すことで、地域や企業への支援および消費者の休日時間をデザインしている。


休日分散化推進事務局について

内容 休日分散化実現に向けて定期的な取り組みを企画・実施することで、同取り組みに賛同する企業を募る。また、政府への働きかけを実施し、休日分散化が議論に挙がることを目指す。
設立日 2014年4月3日
運営企業 日本交通株式会社、株式会社ベネッセコーポレーション、株式会社ベネフィット・ワン
星野リゾート、株式会社ポピンズ

「後ろ倒しGW」概要

対象者 日本交通、ベネッセコーポレーション、ベネフィット・ワン、ポピンズの従業員
内容 4月29日と5月5日、6日の3日間すべてを出勤した従業員に対して、5月12日、13日、14日の3日間を後ろ倒しGW(土日を含めて5連休)とする。尚、後ろ倒しGWを選択するか否かは選択式とする。後ろ倒しGWを取得した従業員は、運営企業が用意する宿泊施設の割引や保育サービス等の特典を受けることができる。

調査概要

【調査対象】

・主に関東、東海、関西エリアに在住する日本交通、ベネッセコーポレーション、ベネフィット・ワン、
 ポピンズの社員男女454人から回収。(利用者106人、非利用者348人)
(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、岡山県、三重県)
<本調査>
○調査方法:書面によるアンケート調査
○調査時期:2014 年6月1日~6月30日

【調査結果】

1、利用者と非利用者の世代別男女構成比

利用者のうち30代が男36%、女37%と高く、次いで40代が男31%、女27%と高い。各世代毎で男女の割合が近いことから、利用者は男女間で大きな意識変化はないものと考えられる。
非利用者は、若い世代ほど利用していない割合が高く、逆に年齢が高くなるにつれてその割合が低くなってきていることが分かる。若い世代は社内の環境から率先して後ろ倒しGWを取得しにくく、また友人との休日が合わないことが大きな要因と考えられる。
(図1:後ろ倒しGW利用者/非利用者の世代別男女構成比)


2、後ろ倒しGW利用者/非利用者のGWの計画開始時期

利用者は「1ヶ月以上前」が全体の35%、「2-3週間前」が37%と、前もって予定を計画している人が多い。非利用者は「直前」が13%、「計画は立てなかった」が23%と、連休が近づくにつれ全ての世代での割合が増加している。
(図2:後ろ倒しGW利用者/非利用者のGW計画開始時期)

 


【利用者についてのアンケート回答】

3、後ろ倒しGWを選択した理由

後ろ倒しGWを利用した理由では「後ろ倒しによる混雑緩和」が34%と最も高い。【GW=混雑】という意識が高いことが分かる。また「後ろ倒しによる旅行などのGW価格帯の回避」が19%と、通常のGWは、コスト面の課題が休み方に影響していることが分かる。また、「後ろ倒しにより仕事に取り組む気持ちに余裕ができると考えたため」の16%から、世間がGW期間中に仕事をすることで業務自体の効率化に繋がったことが考えられる。
(図3:後ろ倒しGWを選択した理由について)


4、後ろ倒しGWの過ごし方

20代は国内外へ旅行に行った割合が多い。また、30代は「自宅中心で過ごした」「実家に帰省」が多く、家族構成上、学生がいる家族は休日を合わせることができず遠出ができなかったことが分かる。40代は「日帰り旅行に行った」割合が他の世代より多く、期間の短い連休を近場でのんびり過ごす割合の多さを伺えた。
(図4:利用者のGWの過ごし方)


5、旅行先と宿泊数

5月12日~14日の3日間と短い連休だったこともあり、旅行先の宿泊数は、各地とも1-2泊が多い。エリア別で見ると、北海道、沖縄や九州など飛行機移動を必要とする場所は概ね2泊、3泊、4泊以上となっており、後ろ倒しの利点を活かした旅行が多いことが伺える。
なお、後ろ倒しGW期間が短かったこともあり海外旅行先は近場のアジアが多くあげられた(表1)。
(図5:利用者の国内外旅行先)


6、後ろ倒しGW期間のトータルの消費額

後ろ倒しGW利用者の期間中の消費額は「3万円~5万円未満」が20代で最も高く、連休における若い世代の消費額の少なさを伺える。一方で、30代は「10万円~20万円未満」の割合が多く且つ「3万円未満」も高いことから、家族構成により連休の消費額が大きく変動することが予測される。
(図6:利用者の世代別消費額)


7、特典の利用について

特典の利用者については「何も利用しなかった」と回答した人が全ての世代に多かった。連休直前の実施告知により特典のメリット情報が周知されていなかったことや、後ろ倒しGW限定などのメリットが少なかったことが考えられる。
(図7:特典の利用状況)


8、後ろ倒しGWの利用前後の意識変化

後ろ倒しGWを利用する前においては「非常に期待していた」「期待していた」と事前の期待値が合計で73%と高く、利用者の意識が高いことが伺える。また、実際に利用した後について見ると「大変良い」「良い」と回答した人は92%に達し、後ろ倒しGWを活用することで休日が充実できたことが分かる。利用前後で比較してみると、後ろ倒しGWにより、期待値以上の満足感を得ることができたと言える。
(図8:利用前後の意識変化)


9、次回の利用希望について

後ろ倒しGWの利用者の90%は「次回も利用したい」という回答であることから、後ろ倒しGWを実際に利用してみることで得られる「魅力」「メリット」があることが分かる。
(図9:次回の利用希望について)


【非利用者についてのアンケート回答】

10、利用しなかった理由

非利用者のうち、「家族の予定が調整できなかった」が最も高く29%で、平日が小学校が休みでないことや共働き家族にとっては計画が立てにくいという結果だった。次いで「仕事の都合で止むを得ないため」が28%。クライアントとの仕事の調整が難しいことや社内のチームでの担当業務などの面で後ろ倒しGWを利用することができなかったようだ。
(図10:利用しなかった理由)


11、後ろ倒しGWの取組み自体について

非利用者のうち取組み自体を「大変良い」と評価している方は31%、「良い」と回答した54%と合わせると、85%の方が、利用しなかったものの環境が改善されることで取組みに積極的に参加する姿勢があることが伺えた。
(図11:後ろ倒しGWの評価)


【感想・改善面について】

利用者のコメント(表2)

性別 年代 具体的なコメント
女性 20代 土日祝日休みでない友人と予定を会わせることができ、旅行に行くことができた。また、旅行先も空いていたため充実した休日になった。来年も実施するならば積極的に利用したい。
女性 20代 GW期間中の出勤は、静かで自分の仕事に集中でき、効率的に進めることができた。同時に普段の仕事の仕方を見直すきっかけになった。また、通勤電車も空いていたのでストレスもなかった。
女性 20代 今後はホテルだけでなく、飲食店などを含むサービス施設の特別割引もあると、もっと嬉しい。
女性 30代 平日の休みということで金融機関や役所、病院など普段混んでいる所の用事をスムーズに済ませることができた。地域全体として取り組めば、保育所や学校なども休みが合って家族旅行を楽しむ機会ができると思う。
男性 30代 GWや9月の連休への取組みが恒常的に設定されると,生産性と効率はあげられると思う。(残業時間も増えないメリットがあると思う)
女性 30代 今回は関連会社様との業務の調整がついたため、本制度を利用することができた。親や祖父に孝行する時間もできた。
女性 30代 会社の制度として推奨されたことで平日の空いている時に両親と旅行ができ、退職記念、慰労を兼ねた旅行でもあったので、おもてなしの高さで評判の星野リゾートで贅沢な時間を過ごすことができ充実した休日になった。.
女性 30代 観光地の道路やお店が空いていて、ゆっくり観光ができた。また、レンタカーがシーズンオフの価格で借りることができ有意義だった。

非利用者のコメント(表3)

性別 年代 具体的なコメント
男性 30代 取り組み自体はとても良いと思う。特典利用の期間を延ばしたり賛同企業以外の特典を入れたり、もっと内容を充実させていくと良いと思う。
女性 30代 新卒でも気兼ねなく休めるように、職場環境(空気)の配慮があると嬉しい。
女性 30代 後ろ倒しの取り組み自体が悪いとは思わないが,普通にGWを休むよりは仕事の調整にはるかに手間がかかりる。そこまでして後ろ倒しにするほどのメリットが感じられなかった。
男性 30代 GWの翌週、または翌々週から選択できるようにした方がよいと思う。
男性 30代 部ごとや課ごとに全員まとめて休みにすべき。共同で仕事をする以上、現行ではスケジュール調整などが必要で他の人に迷惑がかかってしまう。
女性 40代 GWに限らず、いつでも、自由に1週間程度の休みがとれる制度のほうが有効性が高いと思う。期間が限定されると利用しにくい。
男性 40代 有効な選択肢の1つかとは思うが社会として対応しない以上、個人として取得することは可能でも、家族(特に小学校~高校までの子を持つ親)にとっては休日が合わないため、あまり有効な手立てではないと思う。

【まとめ】

「休日分散化」に向けての初めての取組みとして行われた『後ろ倒しGW』は、GW時の割高な宿泊料金や混雑等を理由として、外出や旅行を控えている層の消費・旅行意欲を喚起することを目的として実施された。GWを翌週に後ろ倒しすることで消費者の行動や意識がどのように変化するかについては、働き方の効率化や職場環境の見直しなど様々な条件が関係することが、当初より予想された。
実際に利用者の意識変化を見ると、利用者の92%が「期待以上」もしくは「ある程度」充実した時間を過ごすことができたことや、90%が次回も利用したい意向があることなど、利用者にはその利点が認識されたことが分かり、今後の展開の在り方次第で、より多くの企業に活用されることが期待できる。
一方で、利用者の声の中にも、「職場の意識改善が必要」といった職場環境の課題もあることから、リピーターを失わないためにはこうした点への適切な対応が求められる。
また、本調査て?は、後ろ倒しGWを利用しなかった従業員の声として、「GW期間に限らず、『有給休暇取得促進期間』の設定や、非利用の場合の振替日の自由取得ができると、クライアントとの業務調整や社内の了承を得やすい」という考えもある。旅行ニーズの高い若い世代になるほどその影響が大きいことから、後ろ倒しGWの利用を希望していながら利用できなかった層への対応の仕方を考えてみる必要がある。
今後は、全体的な取組みを改善する中で、休日分散化を利用するムードを高め、利用者が更に充実できる時間を過ごすことができる提供サービスへの改善を行った上で、改めて訴求していくことも、更なる「休日分散化ニーズ」の掘り起こしに向けた一つの方法と考えられる。

報道関係の方からのお問い合わせ
日本交通株式会社 総合営業部 総合営業課 小山
電話番号 03-6271-0766
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