世界の中の日本の農業

第三回 日本から輸出される農産物と農業技術

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リンゴのイメージ

 食料自給率が40%前後の日本は、多くの農産物を外国から輸入する一方で、近年は農産物の輸出に力を注いでいます。政府は農林水産物の輸出額を、2004年の2954億円から5年間で倍増させることを当面の目標にし、2013年まで輸出額を1兆円規模に拡大することを目指しています(「21世紀新農政2007」より)。
 農林水産物の輸出を後押しする要因として、健康志向の広がりによる世界的な日本食ブームがあります。また、近隣のアジア諸国が経済的に成長するなかで富裕層が増加し、高品質な食材を買い求める人々が増えていることが追い風となっています。

農産物輸出は拡大傾向にある

グラフ 農林水産物等の輸出先国の分布

 農産物の輸出は、青森産のリンゴが先行しています。2002年にWTO(世界貿易機関)へ加盟した台湾を中心に、香港、中国、イギリスへ輸出されています。市場を拡大している果実は他にもあります。福岡県産のいちごはアメリカ、温州みかんはカナダ、マスクメロンは中東オマーンが顕著で、その他に香港、韓国、シンガポール、タイなど東アジア諸国で人気があります。また、日本産の長芋が台湾で支持されるなど、生鮮野菜の分野にも広がっています。2007年には日本産のコメが4年ぶりに中国で販売され、中国産の20倍以上の高値にも関わらず、全輸出量の24トンが1カ月で売り切れたことが話題になりました。

グラフ 農・林・水産物別輸出伸び率の推移

※アルコール飲料、たばこ、真珠を除く
(財務省「貿易統計」より)

知的資産としての農業技術

 高品質を売りにして高値で販売される日本の農作物は、生産者が長い年月をかけて積み上げた技術と努力の結晶から生み出されたものです。農林水産省では、これらの技術やノウハウを知的財産のひとつと位置づけて、保護・育成・活用を含む包括的な農業知的戦略を打ち出しています。
 東アジアの国々では、高品質な日本産に触発されて、高級品の生産に乗り出す業者もいるようです。安易な技術移転は、日本の農産業を圧迫しかねません。今後、日本が1兆円規模の農産物輸出を実現するには、農業がもつ知的資産を保護し、それらを有効に活用するためのルールづくりをすすめていく必要がありそうです。

グラフ 主な輸出品目の国別割合

(財務省「貿易統計」より)

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