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コラム:Vol.4【子どもの料理どこまでできる?~包丁編~】 

自宅で過ごす時間が長くなり、お子様と料理をする機会が増えた方もいらっしゃるかと思います。今号では、子どもの料理について特に質問の多い、包丁の扱い方についてお伝えします。子どものやりたい気持ちに応えてあげたいけれど、どこまでできるか分からない、という疑問にお答えします。

包丁は3才以降がお勧め

包丁を本格的に使用するのは3才以降をお勧めしています。ある程度の握力と理解力が備わる時期だからです。3才になったからと慌てる必要もなく、興味を持ったときに、その子のレベルにあわせた作業をすれば大丈夫です。

子ども用包丁と踏み台を用意

手が小さい小学生までは、子ども用包丁を使いましょう。子ども用包丁は、柄の形が子どもの手に合わせて作られています。切れ味は商品によって異なりますが、あまりに切れない物はお勧めしません。包丁がスムーズに動かず誤った持ち方が癖になってしまったり、切れない包丁に子どもがストレスを感じ、達成感を得る機会を逃してしまいます。
包丁を使う際は、必要であれば踏み台を利用し、実際に包丁を扱う作業台との高さをあわせましょう。若しくは、子ども用の椅子に座り、食卓で作業するのもお勧めです。椅子の高さはお子様の身長に合わせているご家庭が多いので、安定した姿勢で作業をすることができます。

子どもが包丁を扱う際のポイントは2つ

子どもが包丁を使う際、大人が心がけるべき点は以下の2つです。

①食材は子どもが切りやすい状態にしてから渡す
子ども(特に幼児)が料理をする場合、大人が軍手を2枚つけた感覚と同じだと言われています。そのため、大人のサポートは必須なのです。子どもが包丁で切りやすいように、大人が途中まで手伝いをしましょう。
例えば、人参のみじん切りをする場合、子どもに人参をまるごと1本渡しても切れません。そこで、大人が薄切りにして子どもに渡します。子どもは薄切りの人参をまず縦に細切りにします。それを90度回転させて包丁と垂直に置き、端から切っていけば粗いみじん切りができます。(上記の写真の状態です)。
こうして子どものレベルに合わせることで、子どもは達成感を感じることができ、見守る大人のハラハラ感も軽減できます。

②包丁の動かし方を具体的に伝える

包丁の動かし方や、刃のどの部分を使って切るかなど、具体的に伝えるとうまくいくことが多いです。例えば柔らかいトマトを切るときは、「包丁をゆっくり前後に動かす」「きゅうりを切るときは前にスライドさせるように切る」などです。包丁に慣れると無意識に出来るようになります。

包丁初心者にお勧めな食材

初心者が包丁の練習をするのにお勧めな食材の一例です。
 ・ちくわや伊達巻きなどの練り製品
 ・小松菜
 ・バナナ
 ・ゆで卵(みじん切り)

適度なやわらかさと、まな板の上で滑りにくい事がポイントです。
葉物野菜は柔らかいですが、薄すぎると切りづらいので、上記の写真のように、くるくると巻いて厚みをだします。
ゆで卵は、黄身を刻むとまな板にこびりついてしまうので、黄味を取り出して白身だけを刻みます。そうすることで、まな板の上で卵がつるつると滑ることもありません。黄味はスプーンなどでつぶします。

では、続いて3つの年代別に具体的な食材を用いた包丁の扱い方についてご紹介します。年代は、それまでの包丁経験や器用さにもよるので、目安にして頂ければと思います。

①幼児向け

前述した通り、大人が途中まで手伝うことで、幼児が自分自身で包丁で切れる物も多岐にわたります。少しの力で切れるように工夫してあげることがポイントです。
例えば玉ねぎを切る際は、1枚ずつ皮をばらばらにしてから切ります。
硬くて切りづらい場合は、上記の写真のように、包丁を持っていない方の手で包丁の背を押してあげると切れます。

先ほども登場した「みじん切り」は、子ども達が大好きな切り方です。上記の写真のように切った後、利き手と反対の手で包丁の先端をおさえ、コンパスのように切る方法は、手も切りづらいので大人も安心して見ていられます。細かく切れるので、子どもも喜びますよ。

②小学校低学年向け

手が大きくなり、しっかりと食材をおさえる力がつくと、硬く不安定な球状の物を切れるようになります。

切りづらい場合は、包丁を持っている手と反対の手をトンネルのような形にすると、しっかりと押さえられます。
また、包丁の動かし方や力を調整できるようになると、パイのようなもろい生地や、分厚いサンドイッチも上手に切れるようになります。サンドイッチは複数個を重ねてラップで全体を包み、ラップごと切ると綺麗に切れます。パン類を切る際はパン用包丁を使うと切りやすいです。

③小学校高学年以降

包丁に充分慣れたら、皮むきに挑戦できます。初めは実が柔らかいキウイで練習し、りんごや梨に取り組むと安心です。くし切りにした状態でむければ充分ですが、意欲があれば丸ごと1個むきにも挑戦できます!

実は、かまぼこの飾り切りはフルーツの皮むきの良い練習になります。お正月に披露できたら楽しいですね!




自分で料理をすることで食材に愛着がわき、好き嫌い克服にもつながります。年末年始のお休みは、もう間もなくです。おせち作りや盛り付けを、無理のない範囲でお子様と楽しんでくださいね!

料理家・キッズ食育トレーナー : 玉田悦子さん

キッズ食育トレーナー。1981年生まれ、千葉県出身、3児の母。
食品メーカーにて開発及びマーケティングに携わった後、料理家として独立。
子どもに様々な食材と触れ合って欲しいという思いから食育活動を始め、2016年に3才~小学生を対象とした食育スクール「青空キッチン市川」を開講(現在月18レッスン開講中)。
その他、コラム執筆やセミナー、フォトスタイリストとしてレシピ開発及び料理撮影等を行っている。
モットーは「食卓を囲む全員にとって食事の時間がもっと楽しいものになりますように!」。食事を作る人も食べる人も幸せであるようなレシピの開発に尽力している。

『プロフェリエ』の玉田悦子さんのページはこちら

※玉田悦子さんは、パソナグループのグループ会社『プロフェリエ』に所属するプロの方です。

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