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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

イベント 2016.02.22 3つの会社で「複業」中! サイボウズ 中村龍太氏に聞いた「新しい働き方」とは?

文:「INITIATIVE」編集部

政府により一億総活躍社会というスローガンが掲げられ、女性活躍推進や地方創生への期待が高まる中、その実現に向けてテレワークや地方のサテライトオフィス等、IT技術を用いた新しい働き方に注目が集まっています。
このたび、そうした新しい働き方の推進を目的に、パソナテックと佐賀県、鳥栖市などがコンソーシアムを組み、『働き方イノベーションフォーラム』を1月22日に東京で開催しました。今回は、サイボウズ株式会社 中村龍太氏による基調講演「新しい社会に求められる柔軟な働き方」の内容を紹介します。




3つの会社で、同時に働く


私は現在、サイボウズ、ダンクソフト、NKアグリという3つの会社で働いています。
元々はNECや日本マイクロソフトに勤めていたのですが、その後サイボウズ、ダンクソフトの2社に同時に転職しました。そしてさらに2年ほど前から、NKアグリでも働き始めました。

では、なぜそんなことが可能なのか。それをサイボウズの人事制度とともに説明したいと思います。




サイボウズの働き方へのチャレンジ


サイボウズはスケジュール、顧客情報、売上、在庫データなど、社内のありとあらゆる情報を載せることのできる「グループウェア」というシステムの開発・運用を行っています。
「チームあるところにサイボウズあり」のスローガンのもと、チームワーク溢れる社会、企業の実現を目指しています。

今では多くの企業様にこのシステムをご使用いただいていますが、実はその過程は順風満帆なものではなく、過去には自社の「離職率の高さ」が課題になっていました。
そこで、サイボウズではその課題の解決のために、働き方に関する多様な人事制度作りにチャレンジしてきました。いくつかご紹介します。

  1. 育「自分」休暇制度:サイボウズを辞めても6年間は自由に戻ってこられる制度
  2. 最長6年間取得できる育児・介護休暇制度
  3. ウルトラワーク:社員が最も生産性が上がる場所・時間でテレワークができる制度
  4. 「感動課」の設置:感動的なイベントを作る人事部内の専門部署で、例えば社員に周りの方から集めた感謝のメッセージを届けるなど社員を感動させることが業務
  5. 副業の自由化:誰でも会社に断りなく副業が可能

これらの人事制度は一例にすぎません。大切なのは、より多くの人が、より成長して、より長く働ける環境を作ることです。サイボウズではこうした環境づくりに努めたことで離職率も低下し、会社の成長にも繋がりました。


副業は歓迎されない?


2014年度に行われた中小企業庁による調査によると、就業規則に副業を許可している記載がある会社は僅か3.8%でした。
一方、従業員で副業をしていると答えたのは3.6%、そのうち正社員が1%台、非正規社員が5%台という結果で、日本では副業がメジャーではないことがわかります。
その理由としては、「本業がおろそかになってしまうのではないか」「情報が漏れてしまうのではないか」などの懸念が考えられます。

では、なぜサイボウズは副業を許可しているのでしょうか。

私たちは、趣味や地域活動などに人生の時間を割く際、それの収入の有無に関係なく、誰しも複数の顔を持つことは当然だと考えています。それを1つの会社の規則で制限してしまうこと自体に疑問を感じたのです。
そこで、サイボウズでは社内での議論を経て副業を解禁し、現在、私もこの制度を使って副業をしています。




「副業」ではなく「複業」


冒頭に申し上げた通り、私は現在3つの企業に所属していますが、私は今の働き方を「副業」ではなく「複業」と呼んでいます。
理由は簡単で、どちらかが「副」ではなく、どの企業の仕事もメインで大切なものと考えているからです。ここからは私自身の「複業」についてお話したいと思います。

ダンクソフトは情報システムの開発やコンサルティングの会社で、ここでは営業として働いています。サイボウズでは、3年後のサイボウズを作るための事例作りや、エバンジェリスト(伝道師)としてそれを社内外に広めていくことを業務にしています。そして、NKアグリでは機能性野菜の「リコピンにんじん」を生産・出荷しています。 

複業で大切なのは、自分が何をやっているのか、働いている場所なども含めて、周りの人に複業していることを公明正大に開示することです。また、複数の仕事が全く関係のないような「引き裂かれる複業」にしないことが大切です。
しかし、そうはいっても人は誰でも1日24時間しかないわけですので、ITを活用した情報共有が不可欠です。例えば、サイボウズの社内でダンクソフトのシステムを立ち上げたら、その時はダンクソフトの業務をしていることになりますし、農場で作業をしながら空いた時間でITの仕事をするなんてこともあります。


「複業」による学び


「複業」を実際に行ってみて、またこれまでのキャリアを振り返って思うのは、「複業」はイノベーション、すなわち「新結合」であるということです。複数の会社にいることで新しいことが経験できるのです。

例えばIT(サイボウズ)と農業(NKアグリ)の例でいえば、リコピンにんじんを栽培するにあたり、リコピンの含有量を最も高めるためのやり方を全国の農家さんとサイボウズのクラウドサービス「キントーン」を通じて共有しました。
ここでは“にんじんの生産者”としての私と、“サイボウズ社員”としての私が、それぞれアウトプットを出しているのですね。

また、私の働き方を真似して会社の門を叩いてくれる人が出てきており、会社の風土作りや人材採用にも良い影響があると感じています。さらに「複業」がメディアで取り上げられることも多く、働き方の多様性が社会の要請としてあることを実感しています。




働き方の未来予想


働き方は時代によって変わってきています。例えば、江戸時代では食作りに最適化された働き方で、農閑期には別の仕事をしていました。
しかし明治時代になると、ものづくりに最適化された働き方として、効率化や合理化のために「専業」が通常の働き方となりました。

では情報化社会の現代、そして未来においてはどうでしょうか。
明治時代の働き方である専業は「新結合」を阻む要因となり、今の時代は逆に効率を低下させてしまうと考えています。さらに65歳未満の人口が6000万人を下回る高齢化社会を考慮すると、「複業」が新しい働き方の1つになると私は予想しています。

またそれに加えて、テレワークを活用して地方で働くなど、場所にとらわれない働き方も増加していくでしょう。今までは「テレワークできる仕事」を探していましたが、これからは「今の仕事をテレワークに当てはめる」という時代となると思います。
そして日本の課題の宝庫である地方こそが「複業」の組み合わせにより、更なる「新結合」を生み出せると考えています。

皆さんには、まずは個人として収入の有無にかかわらず「複業」にチャレンジしていただきたいと思っています!

●サイボウズ株式会社 社長室 デジタル ビジネス プロデューサー 中村 龍太氏
1986年大学卒業後、日本電気株式会社に入社。10年間務めた後、現・日本マイクロソフト株式会社に転職。ビジネス開発など様々な経験を積みながら2009年よりクラウドサービスOffice365の事業立上げに従事。2013年、サイボウズ株式会社と株式会社ダンクソフトに同時転職。更に2015年NKアグリの社員として契約し三重就労中。

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