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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ひと 2017.03.23 日本の人材サービス会社が海外で品質No.1になった理由

文:INITIATIVE編集部

台湾の労働部(日本の「省」に相当)が毎年実施する、人材会社のサービスや社内オペレーションなどの品質(人材満足度、コンプライアンス、社内の情報管理等)を審査する「私立就業服務機構從事跨國人力仲介服務品質評鑑」。昨年発表された調査において第1位に輝いたパソナ台湾と、2位を獲得したMGRコンサルティングは共にパソナグループの台湾法人です。今回は両社の社長を務めるアレックス社長に、台湾で“外資企業”でありながらサービスで品質No.1の評価をいただいた理由や、パソナ台湾の“人を活かす”仕組みについて聞きました。


●Alex Hsu(Managing Director , Pasona Taiwan Co., Ltd. & MGR Consulting Co., Ltd.)

――対象企業が1093社もある中で、見事1位と2位にランクインしました。どのようなポイントが評価されたのでしょうか?

今回の評価ポイントは、人材へのサービス品質、顧客対応、コンプライアンス、そして総合評価の4点です。パソナ台湾とMGRコンサルティングでは、それぞれのポイントを非常に重視し、日々努力を重ねてきました。

例えば、人材へのサービス品質においては、半分以上のコンサルタントが政府認証資格である「就業服務証」を取得し、プロフェショナルなサービス提供をしています。また、評価で最も重視されている登録者の個人情報保護や、クレームへの対応についても、常に最高のサービスを提供できるよう心がけています。

登録者のご希望と顧客ニーズに対して、スピーディーかつ親切な対応をしている点を評価いただいたと思っています。

――高品質のサービスを提供し続けるために意識していることはありますか?

常に革新を続け、より顧客のためになるサービスを考え続けることが、サービス品質と顧客満足度を高める唯一の方法だと考えています。

私たちは日系の人材サービス会社として、海外に進出している、または進出予定の日系企業に対し、その企業の人事部門に成り代わって人材紹介サービスや様々な人事関連サービスを提供しています。顧客に心強いパートナーと思っていただくことを目指しています。



――新たなサービスを生み出すことにも熱心に取り組んでいますね。

新しい社員を雇った際、いつも柔軟性が必要だと伝えています。配属先は人材紹介部門かもしれないし、マーケティング部門かもしれない。中国本土関連の仕事を担当することもある。そうしたことをきちんと伝えて、それに対応できる人材を採用しています。社員が高い柔軟性と流動性を持つことが、イノベーションへの可能性を高めるからです。

また、社員には常に新しいアイデアを提案することを奨励しており、毎月25件ほどが集まります。内容はオペレーションや職場環境の改善から、ビジネスシードに関するものまで多岐に渡りますが、必ず私自身が一つひとつのアイデアを読み、提出してくれた社員にフィードバックするようにしています。
こうして、アイデアを出してくれた社員への敬意を示しているのです。このようなコミュニケーションはとても重要だと思っています。当社において新しいアイデアがどれほど重視されているか、社員に分かってもらえるからです。

そうした取り組みを通じてできた比較的新しい部門としては、リクルーティング・プロセス・アウトソーシング(RPO)部があります。当社にとって社内ベンチャーとも言える事業で、毎年1,000人にのぼる大手アパレルブランドの採用や、大手航空会社の客室乗務員の採用(20名の枠に約3,000名が応募)をサポートしています。

――社員の方がイキイキと働いている印象があります。

私は社員を誇りに思っていますし、社員が会社と共に成長できるよう努力しています。モットーは「一生懸命、楽しく働く」。「楽しく」という部分が重要なのです。私は皆に「もし何かの原因で楽しくなくなったら、上司か私にすぐに報告してください」と伝えています。このような状況を変えるのは私たち上司の責任です。

私はパソナグループに25年前に入社しました。「社会の問題点を解決する」という企業理念に感動したからです。最初にこの理念を見たときは、「ああ、ただのスローガンだな」と思っただけで、何の意味も感じませんでした。しかし、入社から年を追うごとに衝撃を感じるようになりました。社内を見渡すと、単なるスローガンではなく、社員が一丸となって社会の問題に対して真摯に取り組んでいる姿に心から感動しました。

私は今でも、この仕事を単に利益や収益を得るためだけでなく、社会にとってもっと意味のあるものにするにはどうすればいいだろうかと常に考えています。これが、私が25年たった今でもパソナで働いている理由です。

――社会貢献活動にも熱心に取り組まれていますね。

パソナ台湾が立ち上げた「Social Responsibility Association(社会的責任協会)」は、大学構内で学生に1対1のキャリア相談を提供する台湾初のプラットフォームです。主に企業を退職した人事経験者で構成され、55歳から70歳までの会員が積極的にボランティアをしてくれています。同協会はとても有名になり、学生のみならず大学からも非常に感謝されています。現在、国内上位10大学と連携しており、2015年には同協会が国立台湾大学からベスト・キャリア・パートナーとして表彰されました。

また、パソナ台湾では毎年、大学生向け日本語スピーチコンテスト「PASONA CUP」を開催しています。毎年約200名の大学生が参加し、日系企業の社員からなる審査員に対して台湾の魅力を日本語で発表することで、企業と学生の架け橋となっています。

このように、同じ志を持つ企業や大学と力を合わせ、台湾の優秀な人材がご自身に合った仕事を見つけられようサポートしています。



――最後に、今後の意気込みを聞かせてください。

私たちは規模拡大だけを追うのではなく、大義名分があり、社会から必要とされる事業を行うべきと信じています。

今回、「104年度私立就業服務機構從事跨國人力仲介服務品質評鑑」で1位、2位という大変光栄な結果を受けて、私たちは改めて人材サービスに携わる者としての責任の重さを強く感じました。努力は私たちの成長の原動力であると信じています。これからも働きたいと願う人が天職に出会えるよう、精一杯頑張ってまいります。

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