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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ひと 2017.12.20 日本代表アスリートに学ぶ、「夢」と「やるべきこと」を両立する方法

文:INITIATIVE編集部

日本中のトップアスリートが目標として掲げる2020年 東京オリンピック・パラリンピック。その桧舞台での活躍を夢見る2人のアスリートが現在、パソナの社員として働いています。女子7人制ラグビー日本代表の寺田明日香選手と、女子ビーチバレーボールで常にランキング上位を維持する草野歩選手です。2人はそれぞれ競技者であると同時に、学生や母親、会社員など、複数のキャリアを同時並行で進めています。五輪での活躍という夢に向けて、2人がいまのキャリアの道を選んだ理由や、競技との両立のコツなどを聞きました。



●寺田明日香(写真右)
元陸上100mハードル日本代表、高校記録・U20日本記録保持者で、2013年に現役を引退。その後、結婚・出産や大学進学を経て、2016年9月より7人制ラグビー選手として再始動。2017年1月より、日本代表練習生として日本代表に帯同

●草野歩(写真左)
高校生の時にバレーボールの全国大会に出場して優勝。日本代表としてバレーボールの世界大会などにも参戦。大学卒業と同時にビーチバレーボールへ転向。2年目で日本一に輝き、数々の大会で優勝を収めていく。2016年には東京オリンピック出場に向け、競技力向上を目的とし日本体育大学大学院に進学。デュアルキャリアを実践するアスリートのロールモデルを目指す

「勇気」がなければタイムマネジメントは無理


――現在、何足ものわらじをはくお二人は、毎日目が回る忙しさかと思いますが、タイムマネジメントはどのようにされていますか?


寺田:
私はいまチームスポーツをしているので、練習時間は私だけの時間ではなくチームの時間となります。ですから、その時間は100%の力を練習に注ぎ込み、それ以外の時間で自分の身体作りや勉強、家事・育児などをしています。
今年の3月に大学を卒業しましたが、昨年の9月くらいからは論文執筆や研究会などで多忙を極めました。ラグビーの合宿にパソコンを持ち込んでデータ処理をしたりしていましたね。ただ、アスリートと言っても24時間ずっと競技をしているわけではありません。空き時間や移動時間に考えをまとめたり、夜に子どもが寝てから作業をしたりと、隙間時間を積み重ねて4万字の論文を書き上げました。



草野:
私も競技で結果を出すことを最重視しているので、トレーニングと練習、休養、身体のケアを第一に考えています。その中で大学院にも通っているのでタイムマネジメントには常に苦労しています。以前は、遠征先に大学院の課題を持って行ったり、両方を一緒にやることが「両立」だと思っていました。でも、結局どちらも上手くいかなくて…。最近では、「人に頼る」ことと、「できないことは『できない』と言う」ことを覚えました。

寺田:
私も自分でできないことは頼るようにしています。夫やシッターさん、その他たくさんの人々に助けてもらっています。また、子どもは思い通りには動いてくれないので、予定通り行かないときには諦めて、他にできることを見つけるようにしています。引きずらずに、気持ちを切り替えることが大事ですね。

草野:
私は両立する上では「勇気を持つこと」がとても大切だと思っています。全てを完璧にはできませんから、勇気を持って、自分なりの計画を立てる。できないときは、勇気を持って諦める。最近はこう考えられるようになり、気持ちが楽になりました。


「将来の自分」を創るための両立型キャリア


――競技以外のキャリアも並行して頑張るお二人が、そうした生き方・働き方を選んだのはどうしてですか?

寺田:
私はもともと陸上競技をやっていたのですが、学生の頃から引退後のことは漠然と不安に思っていました。高校卒業後は専門学校で実業団に所属しましたが、在学中にプログラミングやウェブデザイン、簿記など、色々な資格を取りましたね。プロスポーツの世界は、必ず年齢的な限界があり、いつかは競技をやめなければいけません。そのときに、自分にスキルとして何が残っているのかは常に考えてきました。

草野:
そういうアスリートは、なかなかいないですよ(笑)。私は大学まで、ある意味で敷かれたレールを歩いてきました。与えられた環境の中で何をするかを考えていましたね。当時は、セカンドキャリアという言葉は知っていても、「競技生活が終わってから考えよう」「これだけ頑張ってきたんだから、終わった後も何かできるだろう」と漠然と思っていました。

寺田:
「アスリートは練習だけをしていれば良い」と言う人もいますが、とてももったいないことだと思います。競技のことを真剣に考えることは当然必要ですが、それは競技をしている時間に集中して考えれば良いことです。リフレッシュすべきときは競技については考えず、リラックスする。そしてまったく別の経験を積んだり、新しい知識を身に付ける時間にすることが大切です。
その分野は何でも良くて、自分の好きなことを突き詰めていけばよいと思います。すると将来、トレーニングをすることが好きならトレーナーや、コーチングに興味があれば指導者になれるかもしれませんし、SNSに投稿することが好きならデジタルマーケティングの仕事ができるかもしれません。自分の「好き」を分析して、なぜそれが好きなのか、どの部分が好きなのかなどを細分化して考えていくことで、将来のキャリアに繋がると思います。



草野:
私も以前は、競技から離れることは良くないことだと思っていました。しかし、私が大学院への進学を決めたのは、一言で言えば「オリンピックに出るため」です。五輪出場はずっと夢で、人生を懸けてトレーニングと練習に取り組んできましたが、リオデジャネイロオリンピックへの出場は叶いませんでした。最後は日本代表からも外れてしまい、そのとき「皆と同じことをしていたのでは、私は一生オリンピックに行けない!」と強烈に思いました。
そして「競技だけじゃダメだ。人間としての器を大きくしなければ」と思い、大学院でコーチングを学ぶことにしました。競技以外のことにも挑戦して人間として成長することが、視野を広げて、結果として選手としての成長にも繋がると考えています。

本業から離れることが価値を生み出す


――競技以外での経験は、どのように活かされていますか?

草野:
大学院で学んだことは、すごく活きています。見える世界が全く違いますね。負けていた頃の自分、リオ五輪に行けなかった頃の自分の未熟さに気付くことができました。なぜ当時、五輪に行けなかったのか、今でははっきりと分かります。
以前は試合会場に着いたら、ウォーミングアップをすることしか考えていませんでした。今では、周りの人の顔を見る余裕があります。審判の顔、運営スタッフの顔、会場のお客さんの顔…。すると、試合全体やトーナメント全体を有利に進めていくために、自分は何をすべきなのかが客観的に見えるようになってきました。



寺田:
私の場合は、色々な仕事を並行してやってきたことで、練習時間は以前より短くなりました。限られた時間で効率的にトレーニングをするためにはどうするべきか考えて、集中して取り組むようになったためです。
また、切り替える力が身に付きましたね。以前は失敗するとクヨクヨと考えてしまうタイプでしたが、気持ちを切り替えて、別の時間に客観的に失敗した理由や対策などを考えられるようになりました。客観的な視点を身に付けたことで、チーム内でも自分の意見を聞いてもらえるようになり、ラグビー経験は短いですがチームをまとめられるようになってきました

草野:
私は自分を客観視できるようになったことで、「失敗する勇気」も持てるようになりました。今シーズン、オリンピック出場という目標に向けて、意図的な失敗をしていこうと覚悟を決めました。例えば、一時的に勝てなくなってもいいから「試合でスパイクを打たない」ことに挑戦するとか。でも、失敗して試合に負ける度に、「やっぱり勝ちたい!」という気持ちが湧き上がり、何度も信念が揺らぎました(笑)。その度に、大学院のコーチングの先生など、たくさんの人がサポートしてくれて、自分以上に客観的なアドバイスをしてくれたおかげで、芯をぶらすことなく今シーズンやってこられました。そうすると、結果で帰ってくるんですよね。シーズンの最終戦で準優勝し、パフォーマンスも非常に良かったです。


アスリートのキャリアに多様な選択肢を


――最後に、お二人の今後の目標を教えてください。

寺田:
東京オリンピックでメダルを取って、銀座でのパレードに参加したいですね!来夏、サンフランシスコで行われるワールドカップへの出場枠が決まったので、代表チームに選ばれて上位に入ることが直近の目標です。
そして、2つ目の目標は女性アスリートのキャリアの選択肢を広げることです。海外に比べて、日本は出産・育児を経て現役で活躍するママさんアスリートがまだ少ないと感じています。競技活動と並行して、女性アスリートが子育てをしながら競技を続けられる環境整備に尽力していきたいです。同時に、現役引退後の人生のためにも、競技生活と並行して多様なキャリア形成ができる仕組みを作ることができれば、女性アスリートや、アスリートをサポートする女性スタッフの人生の選択肢が広がるのではないかと考えています。きっと女性指導者も増えていくことでしょう。そうすれば、さらに女性アスリートが活躍できる社会が実現できるはずです。

草野:
私も、まずは東京オリンピックへの出場を目指します。もちろん可能性があれば、その次の五輪も。そしてビーチバレーボール界、そして全てのアスリートのロールモデルになっていきたいですね。そのためには、とにかく結果を出すことが何よりも大事だと思っています。寺田さんや私のようなアスリートがオリンピックでメダルを取れば、たくさんの方々に注目してもらえ、ダブルキャリア・トリプルキャリアという“新しいアスリートのあり方”に光を当てることができるはずです。お互い頑張っていきましょう!
 

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