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ライフ 2018.08.29 VR技術は私たちの生活・ビジネスをどう変えるか

話:株式会社Synamon 代表取締役 武樋恒氏/文:INITIATIVE編集部

昨今、「VR(バーチャル・リアリティ)」という言葉を新聞や雑誌などで目にする機会が増えました。実際に使用したことがあるという方も多いと思いますが、VRをビジネスに取り入れるために具体的な検討を進めている方は、まだまだ少ないのではないでしょうか。そこで今回は、今年7月に開催した「Pasona Group HR Forum」での、株式会社Synamon 代表取締役 武樋恒氏のご講演内容をもとに、ビジネスシーンにおけるVR活用の可能性についてご紹介します。

●株式会社Synamon ウェブサイトはこちら http://synamon.jp/



そもそもVRとは何か


「VR」と聞くと、ヘッドマウントディスプレイを頭に装着し、コントローラーを手に持っている姿を想像する方が多いと思います。しかし、それらの機械自体はVRではありません。
VRとはそうした機器の有無ではなく、「作り出した世界を現実と認識させる技術や仕組み」のことを言います。一言で言えば「人工現実感」です。

では、人工現実感であるVRは、何に活用できるのでしょうか。私たちはVRを、全く新しい次世代の「コミュニケーションツール」であると考えています。

インターネットをイメージしてください。インターネットはコミュニケーションツールです。なぜなら、一人だけでインターネットを使っても何も意味はなく、相手がいるからこそ情報をやり取りすることができます。
VRもそれと同じで、相手がいるからこそ成り立ちます。違う世界に行って、相手とコミュニケーションを取ることができるツールなのです。

いま、VRの領域で話題になっているものは全て、複数の人によってコミュニケーションツールとして利用されています。
離れた場所にいるユーザー同士が同じ仮想空間で交流するアプリ「Facebook Spaces」や、バーチャル空間で他者と交流ができるソーシャルVRアプリ「VR Chat」、アバターとなってVR空間でイベントやライブに参加できる「cluster.」などが代表例です。

私は、一人だけで使うサービスは長続きしないと思っています。複数の人が皆で一緒に使えるものが長続きするサービスです。

世界中に一気に広まったiPhoneも、LINEもFacebookもInstagramも…。何のために使うものが世の中で伸びていくかと言えば、それはコミュニケーションです。
そのため、コミュニケーションツールであるVRも、今後大きく発展すると考えています。

VRのメリットと活用事例


VRの活用には3つの大きなメリットがあります。

①「遠隔コミュニケーション」
目の前にその人がいるような感覚でコミュニケーションを取ることができます。
②「立体ビジュアル共有」
製造業における3D CADデータなどを共有することができます。
③「創造具現化・体験共有」
普段はできない体験を何度でも繰り返し体験でき、それを共有することができます。

これらのメリットを活かして、いま世界中で様々な活用がなされています。

まず当社・Synamonの事例としては、駿河精機様と共同で研究開発を進めている「製造業向けVRシステム」があります。
世界各国の工場間でのコミュニケーションツールとして活用し、CADデータを使いながら職人さんの間での技術の共有・継承などを目指して開発を進めています。

また、パソナ様・キャプラン様とは「VRおもてなし研修」を共同開発しました。
インバウンド観光客に対応する複数の場面を想定し、仮想空間の中で受講者と講師が双方向コミュニケーションにより接遇ノウハウを学ぶことができます。これにより、集合研修に参加できない時短社員の方や遠隔地の拠点で働く方なども参加できるほか、身振り手振りも含めてリアリティをもって学ぶことができます。


●「VRおもてなし研修」ウェブサイトはこちら
https://www.pasona.co.jp/clients/services/various/vr.html

【参考記事】日本のおもてなしを世界に!キャプランが手がけるインバウンドソリューション
https://www.pasonagroup.co.jp/media/index114.html?itemid=1889&dispmid=796


他の国内事例としては、積木製作様の「高所足場安全研修」があります。
建設現場の高所からの落下を体験することで、安全意識を向上させる研修プログラムです。建設業で何よりも大切なことは安全ですが、これまでは動画を見たり、簡単な設備で試してみることしかできませんでした。VR空間に高所を作りこむことでリアリティが生まれ、命綱を付けないとどうなるか、落下事故の恐ろしさを共有することができます。

海外の事例もいくつか紹介します。

ダッソー・システムズは、「デジタルツインシステム」を提供しています。
現実世界のものをVR空間に持ち込み、VR空間でそれを動かせば現実世界でも動かすことができる仕組みです。例えば、家にいながら遠くの工場の機械を操作できたり、機械の動きなどが正しいかを現地に行かなくても確認することができます。

また、ケンタッキー・フライド・チキンでは、研修にVRを活用しています。
エンターテインメント要素もあるVRで楽しく研修ができたり、失敗しても何度でも挑戦できるという利点があります。また、座学の一般的な研修に比べて、質問が出やすいという効果もあるそうです。音声を外国語にすれば全世界での展開も可能なため、グローバル企業にとってこうした仕組みのニーズは今後高まっていくことでしょう。

最後に医療分野です。
チルドレンズ・ホスピタル・ロサンゼルスでは、医療訓練にVRを活用しています。人体を何百体も用意して訓練することはできませんが、VRならば何度でもトライできます。また、毎年何千万円もかかっていた費用の削減にもつながっています。

日本でも同様の取り組みは広がっており、手術のトレーニングを行うスタートアップ企業なども出てきています。CT画像をもとに心臓を3Dで再現し、皆で触りながら議論をすることなどもできます。

VR活用の可能性


VRは50年前から様々な研究がなされてきた、非常に奥が深い分野です。ここで紹介した活用事例はその一部にすぎず、今後私たちが思いもよらなかった活用法が出てくるのではないかと思います。

アラン・ケイが理想のパーソナルコンピュータとして「ダイナブック構想」を提唱したのが1972年。それから35年後の2007年に、スティーブ・ジョブスがiPhoneを発売することなど、当時、誰が予想できたでしょうか。

VRも今から10年後、20年後にどのようになっているかは誰にも分かりません。私としては「VRの時代が来る!」と思っていますが、その進み方は誰にも予想ができないのです。

VRのような新しい技術は、今後どうなるか、いつ普及するのかなどを考える前に、まず使ってみて、体験してみることが何より重要です。
いくら最新の技術でも、使いづらければ使われませんし、使われない技術には意味がありません。VR分野は現在、活用事例を増やしながら利用価値を向上させていくフェーズであると考えています。

そこでSynamonでは、「NEUTRANS」というVRのベースシステムを作っています。「NEUTRANS」は様々な領域で活用・追加拡張が可能なミドルウェアで、直感的な操作感でハイレベルのUI/UXを実現しています。

そして「NEUTRANS」をベースに、お客様のニーズに応じてコンサルティングやVRシステムの開発を行うサービス「NEUTRANS SOLUTION」や、複数人が同時にVR空間に接続して遠隔会議やデザインレビューを行うことができる次世代のコラボレーションツール「NEUTRANS BIZ」を提供し、VR技術を発展させています。



現時点ではまだ、VR技術は「導入により何%の効果」などと定量的な効果を言える段階ではありません。日々、私たちのもとには様々な依頼がありますが、「これだけの効果が必要」と具体的な数値などを求められる場合は、お約束できないので難しいとお答えしています。逆に「出来ます」と回答する会社があれば、その会社は誠実ではないと思います。

「やってみないと分からない、でも新しい分野に挑戦していこう」という方とは、是非一緒にビジネスができたらと考えています。

【参考記事】RPAによる業務プロセス改革、RPA人材育成の最前線
https://www.pasonagroup.co.jp/media/index114.html?itemid=2326&dispmid=796

まとめ


VRは「遠隔コミュニケーション」「立体ビジュアル共有」「創造具現化・体験共有」に強みを持つ新しいコミュニケーションツールです。これら3つの視点は、これからのVRの発展を考えるうえで鍵となっていくでしょう。

しかし、VR技術は要素技術であり、それだけでは何事も完結しません。他の技術や仕組み、ノウハウと結びつけながら、様々な活用を模索していく必要があります。
また、VRは目的ではなく手段であると考えています。様々な業界の知見と組み合せることで、VRの可能性は今後どこまでも広がっていくでしょう。
 

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