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CSR

2024.03.27

パソナ総合研究所『全国の就業者に聞いた生活世論調査 2024』
~内閣府「国民生活に関する世論調査」と比較して見えた、生活・仕事の価値観や心の豊かさの変化~

株式会社パソナグループ(本社:東京都千代田区、代表取締役グループ代表 南部靖之)で、社内外の専門家と共に様々な社会課題の解決に向けたフォーラムの開催や提言を行う「パソナ総合研究所」は この度、昨年度に続き、全国の就業者約1,300人を対象に独自の『生活世論調査』(以下、「就業者調査」)を実施いたしました。

「就業者調査」では、内閣府「国民生活に関する世論調査」(以下、「内閣府調査」)の最新結果(令和5年度)との比較を実施。「内閣府調査」は就業・未就業に関わらず人口構成を勘案しつつ広く国民に調査対象を設定するのに対し、当研究所が行なった「就業者調査」では、全国の“就業者のみ”に対象を絞り年代も均等にしているのが特徴です。

ウクライナ戦争や円安の進行によるコストプッシュ型の物価上昇が進む一方、企業業績の回復に加え株式市場の活況など、令和5年度は経済・社会環境が大きく変化した年となりました。それに伴い、働く人々の生活や仕事に対する意識や価値観、心の豊かさにどのような変化があったのか―。当研究所の「就業者調査」では、「内閣府調査」と比較しながら、具体的な変化を明らかにします。

【調査結果のポイント】

●「内閣府調査」と同項目で、全国の働き手の全世代に対して、当研究所が独自の「就業者調査」を行ない、両者の調査結果の比較考察を行なった。両調査の違いとしては、当研究所の「就業者調査」では対象を“就業者のみ”とし、年代と勤務形態(フルタイム・ノンフルタイム)を均等に設計していることで、就業者の動向を把握しやすく設計しているのに対し、「内閣府調査」は就業中かどうかに関わらず人口構成を勘案しつつ広く国民を対象としており、高齢者の回答割合が高いのが特徴。なお、「就業者調査」は、昨年に続き2回目の実施。

●「就業者調査」では、フルタイム・ノンフルタイム問わず生活満足度が向上し、特に「所得・収入」や「資産・貯蓄」に関する満足度が向上した。物価上昇はあっても、株価上昇や企業業績回復、賃上げムードなど、経済状況の好転が就業者の生活に良い影響を与えていることがうかがえる。一方、就業機会が限られ年金などに頼る高齢者の割合が高い「内閣府調査」では、物価上昇の打撃が大きく、生活への満足度が昨年と比べて低下傾向にある。

●「就業者調査」では、生活の満足度は向上しているものの、生活の中で感じる悩みや不安が増加している。特に老後の生活設計や経済状況の不確実性に対する不安が増加し、経済状況の持続性については不安を感じていることがうかがえる。また、業務の繁忙化により、生活のゆとりの不足などが顕著になっており、これらの問題への対応が今後の課題と思われる。

●「就業者調査」では、今後の生活の見通しについては楽観論が増加したが、業務の繁忙化に伴い、収入よりも自由時間を増やすことを望む割合が増加している。一方、「内閣府調査」では、物価上昇の影響を受け、今後の生活の見通しについて悪化していくとの割合が増加した。

<調査属性について>

●パソナ総合研究所「全国の就業者1,300人に聞いた生活世論調査 2024」(就業者調査)
調査期間
2023年11月17日~20日
調査対象
全国で就業中の18-84歳の男女
回答者数
1,284人
回答者属性
(年代別)18-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60-69歳、70歳以上
(性別)男女 (勤務形態)フルタイム・ノンフルタイム  各セグメント50名超
※年代と性別、勤務形態がそれぞれ均衡になるよう調査
●内閣府「国民生活に関する世論調査」令和5年度調査(内閣府調査)
参照
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-life/index.html
調査期間
2023年11月9日~12月17日
調査対象
全国 18 歳以上の日本国籍を有する者
回答者数
3,076人
※性別はおよそ半々、年代は18~29歳が約300名、30代が約350名、
40代が約500名、50代・60代が約600名、70代以上が約800名と、
人口構成に合わせ高年層の数が多くなっている点が特徴

1.現在の生活について

■現在の生活への満足度は、フルタイム・ノンフルタイム就業者とも昨年度から大きく上昇し、ノンフルタイムでも「満足」「まあ満足」の割合が合計で半数を上回った。更に、昨年と比べて生活が向上したかについても、フルタイム・ノンフルタイム就業者とも「向上している」とした割合が増加した。物価上昇はあっても、株価の上昇や企業業績の回復、賃上げムードなど、経済状況の好転が就業者の生活の満足度に反映されたものと考えられる。
一方、勤労所得の少ない高齢者の回答割合が高い「内閣府調査」については、昨年と比べて生活への満足度が低下しており、より物価上昇の負の影響が反映されている傾向がうかがえる。

Q1.あなたは、全体として、現在の生活にどの程度満足していますか。(単回答)


Q2.あなたのご家庭の生活は、去年の今頃と比べてどうでしょうか。(単回答)


生活の満足度を分野別に見ると、前述の通り経済状況の好転を受けて、昨年に比べて「所得・収入」「資産・貯蓄」の満足度がフルタイム・ノンフルタイムともに上昇。一方、「自己啓発・能力向上」の面では低下している。後述するように、特にフルタイム就業者については仕事関係の研修等の機会が増加する一方、自分の趣味や興味に関連する自己研鑽の時間がとれないことに不満を持っていることがうかがえる。
回答者に、就業機会が限られ年金や貯蓄等に頼る割合が高い高齢者の多い「内閣府調査」では、物価上昇の影響を受けて昨年度より「所得・収入」での満足度が低下している。

Q3-(1).あなたは、「所得・収入」の面では、どの程度満足していますか。(単回答)


Q3-(2).あなたは、「資産・貯蓄」の面では、どの程度満足していますか。(単回答)


Q3-(3).あなたは、「自己啓発・能力向上」の面では、どの程度満足していますか。(単回答)


■【独自設問】
前問(Q3-(3))における「自己啓発・能力向上」面の満足度について、その回答理由を聞いたところ、フルタイム就業者については、会社による研修や現在の仕事に役立つ研修等についての満足度が昨年より上がる一方、自分の趣味等に関する自己研鑽の時間を持ててないことについて不満が増加している。
各企業が自社の人財開発に昨年以上のリソースを投入し始めた変化がうかがえる。

Q3-(3-1).Q3-(3)で「満足している」「まあ満足している」と答えた理由はどれですか。(単回答、n=522)


Q3-(3-2).Q3-(3)で「やや不満だ」「不満だ」と答えた理由はどれですか。(単回答、n=688)


■前述(Q1,2)の通り、生活の「満足度」は向上しているにもかかわらず、生活の中で「悩みや不安を感じている」とする割合は、昨年と比べて増加する傾向がみられた。特に「現在や将来の収入・資産」「今後の収入や資産の見通し」「老後の生活設計」に関する不安が増加しており、足元の経済状況の好転の持続性には不安を感じていることがうかがえる。
一方、回答者に高齢者の多い「内閣府調査」では、特段の変化は見受けられない。

Q4.あなたは、日頃の生活の中で、悩みや不安を感じていますか。(単回答)


Q5.Q4で「感じている」「どちらかといえば感じている」と答えた方へ質問です。悩みや不安を感じているのはどのようなことについてですか。(複数回答)


■生活の中での時間のゆとりについて聞いたところ、フルタイム・ノンフルタイム就業者ともに「かなりゆとりがある」「ある程度ゆとりがある」と答えた割合が昨年に比べて微減。
経済状況の好転に伴い、業務が繁忙化傾向にあることがうかがえる。

Q6.あなたは、日頃の生活の中で、休んだり、好きなことをしたりする時間のゆとりがありますか。
それとも、仕事や家事、学業などに精一杯で時間のゆとりがありませんか。(単回答)


■現在の自由時間の過ごし方については、フルタイム・ノンフルタイム就業者ともに、昨年度と比較してほぼ全ての項目の回答割合が増加したが、上位の順番には大きな変化は見られなかった。

Q7.あなたは、現在、どのようなことをして、自分の自由になる時間を過ごしていますか。(複数回答)


■今後、自由時間が増えるとしたらやりたいことについては、昨年同様、旅行や趣味の追求など、精神的な豊かさや自己実現に関連する活動と回答した割合が高かった。
「睡眠・休養」とした割合が、特にフルタイム就業者において大きく増加している一方、高齢者の割合の多い「内閣府調査」では顕著な増加は見られない。前述のように、経済状況の好転に伴い業務が繁忙化傾向にある影響がここでも見受けられる。

Q8.あなたは、自由になる時間が増えるとしたら、どのようなことをしたいですか。(複数回答)

2.今後の生活や就業意識について 

■今後の生活の見通しについては、フルタイム・ノンフルタイム就業者とも「良くなっていく」が増加し、「悪くなっていく」が大幅に減少した。経済状況の好転が、物価上昇以上に生活面で良い影響を及ぼし始め、一時の悲観論が大きく減少し始めたものと考えられる。
一方、高齢者の多い内閣府調査では「悪くなっていく」が増加している。

Q9.あなたの生活は、これから先、どうなっていくと思いますか。(単回答)


■「心の豊かさ」と「物の豊かさ」の優先順位については、昨年度と比べて大きな変化はなかった。

Q10.あなたは、今後の生活において、心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたいと思いますか。
それとも物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたいと思いますか。(単回答)


■働く目的については、昨年同様、フルタイムに比べノンフルタイム就業者において「生きがいをみつけるため」とする割合が高い。

Q11.あなたが働く目的は何ですか。あなたの考え方に近いものをお答えください。(単回答)


■理想的な仕事に関しては、フルタイム就業者は「収入の安定性」「私生活とのバランス」「自分にとって楽しい」の順であるが、ノンフルタイム就業者では「私生活とのバランス」がトップとなった。また、経済情勢の好転を受けて「収入の安定性」が大きく減少した。
収入と自由時間のあり方についても、フルタイム・ノンフルタイム就業者とも、昨年度と比べて「自由時間を増やしたい」とする割合が増加し、「収入を増やしたい」とする割合が大きく減少。業務の繁忙化傾向を踏まえ、これ以上の業務増加による収入増加を望んでいない就業者の意識が現れている。
回答者に高齢者の多い「内閣府調査」では、こうした傾向はみられない。

Q12.世の中には、いろいろな仕事がありますが、あなたにとってどのような仕事が理想的だと思いますか。(複数回答)


Q13.あなたは、収入と自由時間について、自由時間をもっと増やしたいと思いますか。
それとも、収入をもっと増やしたいと思いますか。(単回答)

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