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環境だより「SONAERU」

時代と共に変化する防災意識とは?すべての人々が、安心して働ける環境整備に向けて

未曾有の被害をもたらした東日本大震災から11年が経過しました。

近年、世界で災害がどのくらい増加したか知っていますか?国連の世界気象機関(WMO)が今年発表した調査によると、洪水や熱波などの災害は過去50年間(1970~2019年)で5倍に増加したそうです。また、日本政府の地震調査委員会は、首都直下型地震の今後30年以内の発生確率は70%、南海トラフ巨大地震は40年以内で90%程度と発表しており、今後も大規模な災害の発生が懸念されています。今、改めて一人ひとりが災害を「自分ごと」として捉え、適切な準備をすることが求められています。

そうした中、パソナグループではこれまで、すべての人々が安心して働ける環境整備に向けて、様々な防災への取り組みを進めてきました。今回は、これまでの防災の取り組みや、今後時代の変化と共に求められる防災のあり方について、パソナグループの防災に最前線で取り組む3名にインタビューしました!

(右)パソナ 専務執行役員 東海営業本部長 太田実
(中)パソナグループ エキスパート役員 アドミ副本部長 関谷英武
(左)パソナグループ グループHR副本部長 工藤大

この記事でココがわかる!3つのPOINT

  1. パソナグループの備えに込められた“想い”
  2. 今年も防災月間がスタート!広がる“備えの輪”
  3. 時代に合わせた、“一歩先の備え”

すべての人が、安心して働ける環境づくりを目指す

ーパソナグループが進める“備え”には、どのような想いが込められていますか

太田

パソナグループの環境委員会では、「地球環境保全」というテーマで様々な活動に取り組んでいるほか、社員やスタッフの方々などの共に働く仲間がイキイキと健康に活躍できる「働く環境整備」に向けても取り組んでいます。その一環で、各拠点の備蓄整備から社員やエキスパートスタッフの方々に向けた防災教育等、あらゆる側面の「防災」を進めています。

新型コロナウイルス感染症の影響により働き方や生き方の価値観が変化する中で、一人ひとりが安心して働き、最大の能力を発揮できる環境を創っていきたいと思っています。

―具体的な取り組みについて教えてください

工藤

パソナグループでは、緊急時対応マニュアルをはじめ災害時に役に立つ情報を掲載した「パソナグループ社員手帳」、勤務地域に震度5強以上の地震が発生した時に予め設定したアドレスに発信される「安否確認システム」、また各拠点に設置されている防災備蓄など、災害時に備えた様々なインフラを整備しています。

▲「パソナグループ社員手帳」アプリ

また、災害時に困っている人へ手を差し伸べられるよう、定期的に普通救命講習も実施しています。パソナグループでは、社員のみならず役員もとても積極的に取り組んでおり、これほど役員が率先して普通救命講習に取り組んでいる会社は他にはないと思います!“備え”の意識が高いパソナグループならではの文化だと感じています。

―これまでも様々な災害が発生しましたが、パソナグループではどのような支援活動を行ってきたのでしょうか

関谷

東日本大震災や各地での豪雨災害など、これまで様々な災害が起きましたが、どんな災害でもやることは同じでした。パソナグループでは、災害が発生したら即時に対策本部ができ、現地に大量の支援物資を輸送。どんな状況においても「できない」という選択肢はなく、「やるためにはどうすればよいのか」を常に考えて、スピード感のある支援活動に取り組んできました。また、東日本大震災が発生した時には、首都圏のオフィスで帰宅困難者のためにおにぎりを配ったりと、単に支援物資を輸送するだけでない、それぞれが身近なところからできる支援も行ってきました。

幅広い事業を手掛けるパソナグループの総合力、そして一人ひとりが根底に持っている “社会貢献”のマインドの強さを、災害時に毎回感じていますね。

▲2019年9月に発生した、台風15号千葉県域被害への支援活動の様子

今年も防災月間がスタート!広がる“備えの輪”

―3月は防災月間ですが、今年はどのようなテーマで取り組んでいるのでしょうか

工藤

パソナグループでは毎年3月を、過去の災害を忘れず、防災を自分ごととして捉えて行動するために「防災月間」と設定しています。そして今年は、「学びの場」「活動の場」「備えの輪」をテーマに活動に取り組みます。

“学びの場”では、3月25日に防災セミナーをリアルとオンラインで同時開催します。また、後日そのアーカイブ動画をスタッフの方々に向けて配信することで、防災に対する正しい知識を身に着けてもらえるような学びの場を提供します。

“活動の場“では、防災グッズの販売や、普通救命講習の促進、甲状腺がんの子どもたちに向けた基金活動等を行います。グッズ販売は、パソナ・パナソニックビジネスサービスによる防災備蓄商品を中心に販売します。これまでは東京のみで実施していましたが、今年からは淡路島でも実施するほか、新たに社員やスタッフ向けのWeb販売も開始する予定です。

“備えの輪”では、「防災マニュアル」の整備や防災備蓄の最適化に取り組みます。平時の備えや災害時の初動対応をまとめた「防災マニュアル」は、パソナグループの各拠点だけでなく、今後スタッフや契約社員の方が働いている委託事業所にも設置を進めていく予定です。

関谷

社員やスタッフの方々に留まらず、今後は備えの輪をさらに広げていく予定です。これまで防災備蓄数は、その拠点に籍を置く「従業員数の100%」で想定し設定していたのですが、在宅勤務が進む中で今後は、「座席数の110%」に変更し準備していきます。この余剰分10%は何かというと、勤務中の社員に加えて、近隣の帰宅困難者等にも提供するための備えです。このような“共助”の精神は、まさにパソナグループらしさですよね。

変わっていく防災。時代に合わせた“一歩先の備え“とは?

―時代の変化により、求められる防災備蓄はどのように変わりましたか

関谷

これまでは、災害が発生したら避難所に向かうことが当たり前でしたが、コロナ禍において、密集する場所を避ける動きが進んでいます。そのため、これからは被災時に自宅待機をすることも視野に入れることが求められ、各自の家庭での備蓄が重要になります。
また、これまで備蓄品で大切なものといえば食料、水が定番だったかと思いますが、スマホ社会の現代においては、バッテリーを充電するための電池なども挙げられるようになりました。

他にも様々な工夫をしています。現在、各拠点にはヘルメットが設置されていると思いますが、どこにあるかわからず、いざという時にすぐ取り出せないという声がありました。反対に、目立つ場所に設置されていてもあまり見栄えが良くない、という問題もあります。

そこで「アート×ヘルメット」という新しい視点で、カラフルなヘルメットを設置したウォールアートや、ハートフルで働くアーティストたちの絵でラッピングしたヘルメットを作ることを検討しています。単に物を備蓄しておく時代は終わったと感じており、より日常生活と融合させた、新しい防災備蓄に取り組んでいきます。

―淡路島への本社機能の一部移転が進む中、淡路島ではどのような防災活動を進めていますか

関谷

パソナグループと淡路市は昨年4月、淡路市内で自然災害等が発生、又は発生するおそれがある場合において、パソナグループが淡路島で展開する施設を一時避難所とする協定を結びました。

▲『災害時に一時避難場所としての使用に関する協定』調印式の様子

また、淡路島で展開する飲食施設において、毎日の食材の仕入量や廃棄物量を把握することで、フードロス問題の解決にも繋がる“新しい備蓄”にも取り組むことができると思います。防災の範囲を淡路島全体に広げることで、地域を活かし、地域に根差した備えを進めていきたいですね。

―今の時代だからこそ、社員一人ひとりに持って欲しい防災意識についてお聞かせください

太田

ここまで紹介したように、パソナグループの会社として備えの基盤は、すでに整っています。そのうえで、「自助」「共助」「公助」の3つをバランス良く意識して欲しいと思います。
そして周りの人への優しさや思いやりのある“繋がり”を大切にした、一歩先の備え
を意識して欲しいです。

この“繋がり”というのは、災害時に生まれるものではなく、日常生活の何気ないコミュニケーションから構築されていくものだと思います。共に働く仲間とのコミュニケーション、お客様やスタッフの方々とのコミュニケーション、社会貢献活動等を通じた地域とのコミュニケーションなど、パソナグループの一人ひとりが意識することで“繋がり“を生み出し、災害時の備えに繋がっていく。

これまで様々な防災への取り組みをいち早く進めてきたパソナグループだからこそ、これまで以上に高い視座を持ち、日頃から周りの人とコミュニケーションをとりながら、“繋がりの強い備え”を進めていきましょう。