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環境だより「SONAERU」

私たちにできることって?一人ひとりの行動でみんなの地球を守る“エコアクション”

近年、世界規模で様々な環境問題が顕在化する中、SDGs、EGS推進、カーボンニュートラルなど様々な環境保全に向けた様々な取り組みが進んでいます。一方で、「環境に良いことはしたいと思っているけれど、具体的に何をすればいいのかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、私たちが日々の暮らしの中で取り組める”身近なエコアクション”について、環境委員会のメンバーでもある、パソナふるさとインキュベーション 瀬川康弘 代表取締役社長とパソナグループ 経営企画部 岡田智一ゼネラルマネージャーにインタビュー!

一人ひとりの身近なことから取り組めるエコアクションを知り、「こんなことでもいいんだ!」「これだったら私にもできるかも」といった気づきをもとに、環境保全活動の輪を広げていきましょう!

求められる一人ひとりの“環境意識の改革”

なぜ今、“個人エコアクション”が求められているのでしょうか

岡田

近年、世界規模で様々な環境問題が顕在化する中、日本では2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を目指す取り組みが進んでいます。

さらに、政府は2030年までにCO2を46%削減する目標を掲げていますが、実は家庭の電力量の削減目標はどのカテゴリーよりも大きい66%の削減を想定しています。国の政策としてだけでなく、まずは私たちいち市民として、いち企業人として、身近なことから何ができるかを考え行動に移す、「個人のライフスタイルの転換」が求められています。

パソナグループ 経営企画部 岡田智一 ゼネラルマネージャー

淡路島で実施している新入社員研修でも、環境教育を行っているそうですね

岡田

淡路島での新入社員研修では、パソナグループの環境への取り組みの想いを知ってもらうのはもちろんのこと、海岸清掃をはじめ、身近に取り組めるエコアクションを仲間と共に体を動かしながら学ぶ研修を行っています。

なぜ今環境問題と向き合わなくてはいけないのか、今一人ひとりに何ができるのかを、小さなエコアクションを通じて少しずつ気づいていくことが大切です。淡路島は、単に座学で知識を身に付けるだけでなく、実際に手を動かして環境問題に触れながら環境保全について学ぶことのできる、素敵なフィールドだと思います。

▲YUNGA Japanと行ったSDGs研修や、海岸清掃の様子

まずは行動に移そう!すぐにできる“個人エコアクション”

具体的に、どのようなエコアクションを行動に移せば良いのでしょうか

岡田

環境に良いことはしたいと思っていても、実際に何に取り組めばよいのかわからない方も多いかと思います。まず小さなことからでも行動に移すために、個人として今何ができていて、これから何に取り組むかを可視化することが大切です。

そのために環境委員会では、「3R(Reduce、Reuse、Recycle)」「省エネ・節エネ」「地域や勤務先での環境保全活動」の3つの軸からなる「エコアクションシート」を作成しました。

今週1週間のご自身の行動を振り返ってみてください。皆さんはこのエコアクションリストで、何個の丸を付けられますか?

『地域や勤務先での環境活動』では、具体的にどのような活動を行っているのでしょうか

岡田

近年ではパソナグループが主催する環境保全イベントが非常に増えており、地域の方々と一緒に取り組む環境保全活動が広がっています。

2021年に環境委員会で発足した「山と海くらぶ」では、地域の方々と共に取り組む環境保全活動の機会を提供しています。これまで何度か参加した活動では、地元の方々がパソナグループの名前を覚えてくださり、「今年も参加してくれたんだね」といった声もいただいています。

エコアクションは、「やらなくていはいけない」と強制されて行うものではなく、身近な人をはじめ共に住む地域の人々とも繋がりながら、みんなと一緒に楽しく取り組んでいくことがとても大切だと思います。

▲(左)NPO法人湘南ビジョン研究所と連携し、鵠沼海岸の清掃活動を実施
 (右)特定非営利活動法人緑の環・協議会「森を守り育てる会」と連携し、郷土樹種の広葉樹約3,300本の植樹を実施

淡路島というフィールドを活かした「コンポスト」活動

淡路島を中心に「コンポスト」活動を進めていると伺いました

岡田

平成30年度に兵庫県がとりまとめた調査から、兵庫県内で家庭ごみの排出量が最も多い地域が淡路市で、特に生ごみの排出量が家庭ごみ全体の36%を占めるという事実を知り驚きました。

そこで、家庭の生ごみを再利用することで一人当たりのごみの排出量や電気量を削減することができるのではないかと考え、エコアクションシートの「recycle ④ごみを活かす取り組み」として、昨年10月に社内で「コンポスト部」を設立しました。

コンポストという言葉自体初めて聞いた方も多いかもしれませんが、コンポストとは「堆肥(compost)」や「堆肥をつくる容器(composter)」ことです。家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させることができます。

コンポスト部では、一人ひとりが自分なりのコンポストに挑戦し、トライ&エラーを繰り返しながら、その経験をTeamsのグループでみんなにシェアをし合い、活動を広げています。

また淡路島には、パソナ農援隊が所有する農地があります。今後は、島内の飲食施設の生ごみをコンポストで堆肥化し、その農地を使用して野菜を育て、その野菜をまた飲食施設で提供するという循環型社会も創っていきたいです。

▲コンポスト部のチャットで実際に共有した投稿

エキスパートスタッフの方々へのコンポスト体験もスタートされたそうですね

岡田

昨年の12月から、淡路島研修に参加したプロ社員の方々の中で、コンポストのモニター体験を募集する取り組みをスタートしました。そして今年3月には、スタッフの方々や社員10名が集まった座談会を行い、コンポスト活動を始めて気づいたことや今後の展望についても話し合いました。

▲東京と淡路を繋いだオンライン座談会の様子

~座談会の一部~

Q.実際にコンポストを始めてみていかがですか?

■戸建てに住んでいて木やお花を植えているので、堆肥に利用して生ごみを有効活用したいと考えて、コンポストを始めました。

■SDGsに興味があり何か自分にも出来ることはないかと思っていたところ、パソナグループのコンポストの取り組みを知り、モニター体験の募集に応募しました。

Q.コンポストをはじめたきっかけは?

■コンポストを始めて2週間ですが、これまでは1週間に2回ごみを捨てていたものが現在では半分の量になっており、大きなごみの削減に繋がっていると感じています。

■最近娘にも、「このごみをコンポストに入れて!」と言われるようになりました。子どもの環境教育と地域の問題解決にも繋がっていると感じています。

■これまで環境保全活動といえばごみ拾いくらいしかできていなかったように感じますが、このような身近な所で環境活動ができる点は、とても興味深いと感じています。

Q.これからコンポストを始める方に向けてメッセージをお願いします

■コンポストを始めて、ペットを育てているような愛着がわきはじめ、とても驚いています。自宅でペットを飼えない方にもおすすめです!

■始めるまでは手間がかかり、大変ではないかと思っていましたが、生ごみを入れて混ぜるだけなので意外と簡単でした。毎日環境に良いことをしていると思えるだけで、心も晴れやかになります。是非皆さんもチャレンジしてみてください!

環境知識をみんなで身に付ける「カイゼンチャレンジ」

先月から「カイゼンチャレンジ」がスタートしましたね

瀬川

4月から社内で新たにスタートした「カイゼンチャレンジ」では、日常生活における個人・ご家庭でのエコアクションを毎月設定し、環境知識を楽しく身に付けながら、パソナファミリーの皆さんと共に身近なことからできるエコアクションに取り組みます。

▲パソナふるさとインキュベーション 瀬川康弘 代表取締役社長

5月のカイゼンチャレンジについて教えてください

瀬川

5月のカイゼンチャレンジは、「家庭電力の再生可能エネルギー化を検討しよう!」です!皆さんは、日本の再生可能エネルギーの使用比率の現状をご存知でしょうか?再生可能エネルギーの現状を知り、是非ご家庭の電気使用方法を見直してみてください!

~日本の再生可能エネルギーの使用比率は?~

G7(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)における再生可能エネルギーの使用比率は、カナダが約70%、ドイツやイギリスがそれぞれ約40%を超えるなか、日本は約20%とアメリカに続く2番目の低さで、欧州から大きな遅れを取っています。

~「再生可能エネルギー電気プラン」って?~

一方、2016年4月にスタートした「電力小売全面自由化」によって電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。再生可能エネルギー電気に注目する電力会社も次々に新規参入し、再生可能エネルギールギーは身近な選択肢になっています。

そして近年では、多くの小売り電気事業者が、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを電源とした様々な電気プランを用意しています。

~マンション等でも再生可能エネルギーに切り替えられるの?~

「集合住宅は再生可能エネルギーには切り替えられない」と思っている方も多いですが、実はアパートやマンションなど集合住宅に住んでいても、切り替え可能なことがあります。(※)一般的には、再生エネルギー電力会社に切り替えても費用は同程度であり、むしろ切り替えた方が安くなる場合もあるので、是非一度ご自宅の電気について検討してみてくださいね!
(※)一部の大規模なマンションなどで、管理組合等を通じて建物全体で一つの電力会社と契約している場合などは、変更が難しい場合もあります

「個人エコアクション」と「カイゼンチャレンジ」の両立を通じて、今後どのようなことを目指していきたいですか

瀬川

エコアクションシートの「地域や企業の環境活動」のカテゴリーの中で、「知人や周りの人と環境の話題を出してみる」という項目を挙げています。自分一人で取り組むよりも、自分がどんな活動を行っているのかを発信し合い、周りのメンバーと楽しく共有しながら取り組むことで、自然とエコアクション活動の輪が広がっていくと思います。

まずは月に1回環境について話題を出す機会を作り、自分が行っているエコアクションを積極的に発信してみてください。パソナグループの仲間と共に、「今日ちょっと環境にいいことしたな」というエコアクションを共有できる環境を創ることで、一人ひとりの小さなエコアクションの輪を広げていくことが、私たちの地球を守る大きな環境保全活動に繋がっていくと思います。