本文へスキップします。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ひと 2026.04.21 文化の力で淡路島と世界をつなぐ
—Awaji Art Circusの挑戦

パソナグループが毎年秋に兵庫県淡路島で開催している国際パフォーミングアーツフェスティバル「Awaji Art Circus」。世界のアーティストが集結して淡路島をテーマに作り上げたオリジナルショーを島内で披露し、さらに地域での活動を通じて地域活性や芸術文化の発展を目指しています。立ち上げから現在まで中心となって企画・運営を担ってきたのが、ウクライナ出身のパソナグループ NATUREVERSE総本部 エンターテインメント事業部 エレナ・ブジョラさんです。



いつか、日本に戻りたい

―はじめて日本に興味をもったきっかけは何ですか
大学では言語学部を志望していたのですが、英語やヨーロッパの他の言語は多くの人が勉強していたので、他の人が学んでいないエキゾチックな言語を学ぼうと思ったのがきっかけです。日本は尊敬している国でもあったので、日本語の通訳か先生になろうと、キーウ国立大学 東洋言語学部 日本語学科に進学しました。
2006年に交換留学生として奈良の天理大学で1年間勉強し、そこで日本のことを深く知り、すっかり好きになって、帰国してからもいつか日本に戻りたいと思いました。

―パソナグループへの入社のきっかけを教えてください
大学を卒業してからの2年間は、ウクライナでJICAが運営する日本センターで文化事業を担当し、ウクライナ人に日本の文化を広めるイベントや講座を開催していました。それでも「日本に住みたい」「日本に戻りたい」という一心で、文部科学省の制度を利用して研究留学生として日本に行くことが決まりました。東京芸術大学で2年間研究生として「アートマネジメント」を学び、その後2年間の修士課程を経て卒業しました。とにかく夢中で休みなく、本当によく活動しました。
そうした中、パソナグループが淡路島で地方創生の一環で行っていた “半農半芸” (一日の半分を農業で、あとの半分を芸術の時間に当てる働き方)の取り組みを知りました。「これほどユニークな文化事業をやっている会社はほかにはない。こんな会社で働きたい」と思い応募しました。2015年に入社し、希望通り「地方創生」に取り組む事業開発部へ配属されました。 



初年度50人だった応募者が、10年で1000人超に

―Awaji Art Circusの立ち上げには、どのように関わったのですか
配属後すぐに、「Awaji Art Circus立ち上げプロジェクト」のメンバーに任命されました。海外アーティストの募集・選考・ビザ手続き・会場交渉・プログラム構成まで、すべてを3カ月で仕上げるというタイトなスケジュールでした。
アーティストを募集するにも、開催実績もない私たちのイベントに参加してもらうのは、そう簡単なことではありません。今思えば、当時の参加アーティストたちはなかなかのチャレンジャーですよね(笑)。初年度は手探りで、アーティスト個人宛てに直接メールを送ったり、代々木公園で開催していた国際フェスの出場者に声をかけたりして何とかスタートさせることができました。 
それ以来、日本に仕事として来ることができて、しかも滞在中は地元の方々との交流もできるとアーティストの間で口コミが広がり、昨年は1,100名を超える応募が来るほどの人気イベントまで成長しました。ありがたいことに選考だけで3カ月もかかるため、要項をきちんと読んで応募いただくためにも、今年からは応募料をいただくことにしました。



―最初はストリートでパフォーマンスをしていましたが、スタイルが変わりました。
以前は公道でパフォーマンスを披露していましたが、コロナ禍を経て、劇場公演の現在のスタイルに変更しました。一つの舞台で、バレエ、サーカス、空中演技、ダンス、生音楽、太鼓、語り、映像など、色んなジャンルが融合して作り上げているところが魅力です。お客様にはリピーターも多く、昨年は最後の3日間は満席になるほど盛況でした。
アーティストにとっても、全員でひとつの作品をつくる貴重な経験です。ストリートパフォーマーの方々は、普段は一人ですが、ストーリー性がある舞台を一緒に作る体験ができる、世界にもほとんど例がない唯一無二のプロジェクトです。 

なにより人気の、地域活動

―オリジナルショー以外にはどのような活動があるのですか。
「Awaji Art Circus」は、地域の協力なくしてはありません。立ち上げの翌年から、島内3市の市や県にご協力をお願いし、実行委員会を立ち上げました。パフォーマンスや、ワークショップを地域の子供たちに届けられるよう、教育委員会に企画を持ち込み、希望を募っています。10年間で延べ66校の小中学校を訪問しました。
子ども達の反応はすごく素直で、目の前の迫力あるパフォーマンスには大歓声があがり、終わるとサインを求めて行列ができたこともあります。後日、手紙や絵を送ってくれたりと、アーティストも「学校公演が一番楽しみ」と声をそろえて言うほどで、たくさんのエネルギーをもらっています。
海外から集まる多くのアーティストの皆さんが自ら発信してくれていることもあり、淡路島が国際的に知られる島になりつつあることをとても嬉しく思っています。日本全国から公演に訪れる観客も増え、島への来訪のきっかけづくりに繋がるなど、少しずつではありますが成長を実感しています。
 


アーティストにとって、淡路島は夢の島

―エレナさんご自身が心掛けていることはありますか
“橋渡し役”であることです。アーティストや、行政、地域の方々など、関係者が全員ハッピーで、気持ちよく満足してプロジェクトに関われるように調整することを大切にしています。

―今後の夢や目指している姿を教えてください
アーティストたちは、淡路島に長期滞在すると、日本を内側から知ることができるので、帰る頃には本当に日本のファンになってくれます。これからはさらに、世界中から観客が集まり、淡路島を訪れるような “国際的なフェスティバル” に育てていきたいです。そして、アーティストにとっても地域にとっても「ここでしかできない体験」を生み続けていきたいと思っています。 

新着記事

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加